大井川通信

大井川あたりの事ども

2018-02-13から1日間の記事一覧

『第七官界彷徨』 尾崎翠 1933

昨年初めて読んで、とても不思議な印象だった。その印象にひかれて、すこし丁寧に再読すると、不思議さの背後に大きな独自性と魅力がひかえているのに気づいた。 まず、その文体。「よほど遠い過去のこと、秋から冬にかけての短い期間を、私は、変な家庭の一…