大井川通信

大井川あたりの事ども

大井川歩き

大井川歩きへの決意

新年度初めて大井を歩く。退職前のあわただしさで、ゆっくり歩く機会もなかったのだ。十日ばかりまえに打撲した太ももはまだ痛いし、曇り空の天候も今一つだが、生活が一新したため新鮮な気分だ。 ムラの賢人原田さんの納屋改めギャラリーによると、新しく出…

大井炭鉱跡を歩く

夕方近くなってからの里山歩き。本当は久しぶりに縦走コースを歩きたかったが、さすがに事故等のリスクが気になる。それで、一年ぶりに大井炭鉱跡を探索することにした。途中まで道があるし、ふもと近くなので距離はない。 ここ数年でずいぶん荒れてしまい、…

クロスミ様に初詣

遅ればせながら、用山(モチヤマ)のクロスミ様に初詣にでかける。お供えの焼酎の小瓶を持ち、クマ除け(イノシシ除けのつもり)の鈴をならしながら。 「昔、用山に悪魔が現れて・・・」 いつものように看板の由来書を朗読して、酒瓶を供えお参りをする。お…

クリスマスの大井川周辺

年末の休日で、寒い中大井川周辺を歩く。気分がのったら、クロスミ様かヒラトモ様にお参りしようと思いつつ。秀円寺の脇を降りていくと、お寺の境内の杉の切り株と、鎮守の杜の無残に切られた大木の幹が目に入って、気が滅入る。 近くで農作業しているご婦人…

鎮守の杜、切られる

車を走らすと、あちこちの銀杏の黄葉がきれいだ。それで、休日の朝、わが大井の大銀杏の黄葉を見上げようと、久しぶりに鎮守の杜を目指した。 しかし、驚いたことに、銀杏の木がない。いや幹の三分の一くらいが残されているだけで、枝も葉も全てとり払われて…

酒造場跡の更地の前で

公園の前を曲ると、目の前に大きな空き地があった。どうやら酒造場が取り壊された跡の更地のようなのだが、一瞬土地鑑を失ってしまう。せいぜい老朽化したレンガ煙突を崩したくらいだろうと予想していたので、意外過ぎたのだ。 かなりボリュームのある建物で…

ナガイさんの息子さん

村チャコで、ナガイさんの息子さんと話をする。息子さんは、先年亡くなったお母さんの記録を残そうとして、いろいろ調べるうちに、僕の作った手作り絵本「大井始まった山伏」に興味を持ったそうだ。 お母さんは力丸家のおなごしさん(お手伝いさん)をやって…

クロスミ様にお礼参りする(阿弥陀様にも)

退院後、はじめて里山に入る。このところの猛暑で朝から暑い。大井の薬師様に手をあわせている人がいるので、聞くと大井台からだという。住宅街から旧集落に歩きにきている人は多い。 林道に入って、途中車をとめている人に声をかけると、ミカン畑の収穫の手…

田島様まで歩く

かつての聞き書きなどを読むと、かつて近在の村人や子どもたちは、大きなお祭りのときなど田島様(宗像大社)まで平気で歩いていたようだ。大井川歩き復活のイベントとして長距離を歩きたいが、今の体調では里山に入るのは不安がある。田島様までは片道4キロ…

大井炭鉱の思い出

5月18日の記事で、ミロク様発見の経緯について、紙版「大井川通信(その12)」の後半部分を引用した。今回は、残りの前半部分を引用する。 光陰矢の如し。力丸さんご夫婦だけでなく、天野さんもこの世を去り、森田さんも大井を出てしまった。松の木の枠が…

梅雨の晴れ間の大井川歩き

快晴だけれども、じとっと汗ばむような陽気。 ババウラ池を久しぶりにのぞくと、カイツブリのつがいが、豆のように小さな二羽のヒナと一緒に泳いでいる。浮巣には白い卵が残っているが、孵化できなかったものなのか、温めて遅れて孵化するものなのか。 二羽…

青葉の笛

老人ホーム「ひさの」の好さんを誘って、ヒラトモ様を案内する。 里山といえども、一人で登るのは怖いときがある。だから竹の杖をついて、イノシシ除けの笛を首にたらしているのだ。遠くで猟銃の音を聞こえると、間違えて撃たれたらどうしようと思ったりもす…

大井のマダムズトーク

筑豊名物のお菓子を手に入れることができたので、用山ツアーでお世話になった好さんの「ひさの」とアツコさんの家に差し入れにいく。 アツコさんの家では、ひろちゃんの奥さん(アツコさんのお母さん)がお友達のナガタさんとお茶会をしていて、誘われるまま…

用山ガイド

大井のひろちゃんの娘さん(アツコさん)と「ひさの」の好さんを連れて、大井の隣村用山(もちやま)近辺の案内をする。 まずは、釈迦院不動から。古墳の石室の一部をホコラ代わりにして、ごつごつした岩の不動様が、障害者施設の入り口の森にひっそりとまつ…

高松山で道に迷う

我が街の境界となる西の丘陵の最高峰「水落山」を征服したからには、その並びの高峰「高松山」にも登頂したくなる。雑草と有害生物の季節はもう目の前だ。週末に意地悪のように天気が崩れるが、なんとか晴れた土曜日に勇んで家を飛び出す。 高松山は200メー…

絵本「笠ぼとけさま」後書き

近所に「笠仏」という地名があるのが気になっていた。 ある時、その土地を歩いていると、道の脇に石材を無造作に寄せて地面をコンクリートで固めてある場所が目に留まった。庚申塔にしては扱いがぞんざいだなと思ってよく見ると、その中に、六角形の石材の六…

水落山登山

近ごろ、ようやく低山登山の面白みを知った。雑草が茂ると山に入りづらくなる。暖かくなるとマムシとかも出てきそうだ。今のうちに登ろうと思うのだが、週末の度にいやがらせのように雨が降る。気ばかりあせるが、こればかりはしょうがない。 マイルールでは…

平井山に登る

平井山は、大規模なソーラーパネルの設置で、頂上部を崩されてしまった山だ。木々が切り払われて、造成があらかた終わった後で、調査後の古墳の石室の見学会で登ったことがあるだけだ。 その時は人の背丈よりもずっと高い石室の立派さに驚いて、これを壊して…

僕の道くさ地図(その3)

僕の実家の地図と、今の自宅の地図。それぞれ家を中心にして、1キロ、2キロ、3キロの同心円を描いた二枚の「道くさ地図」を比較すると、いろいろなことが見えてくる。 半径1キロ圏内が、通常の徒歩圏内で日常的な生活圏だ。実家では、小中学校、JRの駅、公園…

僕の道くさ地図(その2)

実家の地図と、今の家の地図。この二つの二万五千分の一の地図をクリアファイルの表裏で比較すると、いろいろな面白いことに気づく。 意外だったのは、二つのまちが良く似ているということだった。東京郊外と九州の田舎という見た目の差異を超えて、地域の構…

僕の道くさ地図

子どもの道くさにかんする本を読んで、あらためて子どもと地域との濃密な関係について考えさせられた。本は、通学路に関する調査だ。それが単に通学のための手段ではなく、子どもにとって目的そのものといっていい体験の場所であることが描かれている。しか…

『地の底の笑い声』 上野英信 1967

上野英信の『追われゆく坑夫たち』は何度か読み返したが、同じ岩波新書の本書は、長く積読のままだった。ドキュメンタリーの迫力は前書にあるが、当時から半世紀以上が過ぎて、どこか遠いよその国のことのように感じられるところは否めない。 笑い話を通じて…

里山縦走

大井の里山は東西に峰を広げているけれども、東端のヒラトモ様に上がる山道と、ヒラトモ様から中央の山頂部の三角点まで峰をたどるコースとは、何年も前に発見済みだ。西端の用山側から山に入る道が、うまく探しきれないでいた。以前一度強行突破したことが…

家から歩いて登山する(対馬見山編)

大井川歩きの流儀だと、すべて自宅から歩いて行き、歩いて帰ってこないといけない。登山といっても電車や車で出かけて、近場から目当ての山だけに登るわけにはいかないのだ。近所の里山には何とか入り込んで、ヒラトモ様やクロスミ様を探りあてたが、山登り…

里山の古墳を案内する

村チャコの常連ワタナベさんを連れて、大井の里山に登る。里山の頂上にある三角点に案内することを約束していたのだ。 倒れた竹が脇にやられて林道が歩きやすくなっているのは、山の作業で人が通ったためだろうか。そんな変化に敏感になる。斜面を登るときに…

おなごし(女子衆)さんの思い出

村チャコで会ったワタナベさんを、大井炭鉱の坑口跡に案内することになる。石炭を運んだ道や炭鉱夫の納屋のことなど、大声で説明しながら里山に入っていくと、藪の手間で「くくり罠注意」という表示がある。イノシシのハコ罠なら知っているが、くくり罠を見…

河東村を歩く

朝、大井川歩きに出るときは、おおよその方向や目的地をイメージしておく。漠然とでもその場所に行ってみたい、という気持ちが起きないと、勇んで家を出発する気にはなれない。 今日は、久しぶりに、旧河東村を訪ねようと思った。河東(かとう)は文字通り、…

釣川浄土(黒豆をいただく)

絵本を届けたキヨミさんから、ていねいなお礼の電話をいただく。絵本は何度も読んだという。子どもさんに見せたら、とにかく絵がすばらしいとのこと。絵を描いた妻にそのことを話して、いっしょに喜んだ。 黒豆がたくさんあるので、石鎚様へのお参りのついで…

釣川浄土(絵本を届ける)

雨も降りかけているし、午後からで時間もないし、ということで多礼(タレ)まで歩くのははばかられた。しかし、自動車で乗りつけるのはポリシーに反する。やや迷って、自転車を走らせることにした。 先日、偶然道端で挨拶をして知り合ったキミコさんの家に、…

へへり峠を越える

コロナがやや収束したのと、新しい職場になれたのと、夏の暑さが終わったのと、ダイエットが本格化したのが重なって、先月くらいから大井川歩きも復活した。 コノミ山への往復(9月22日)、ヒラトモ様ツアー(10月18日)、クロスミ様経由モチヤマ訪問(10月2…