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大井川通信

大井川あたりの事ども

夢中の教育論

夢の中で、見知らぬ校長と話をした。大学受験の話題で自分より一歳年少だとわかる。校長は友人との毎週の勉強会も欠かさないという勤勉な人で、さっそく僕は問いかけてみた。今の公教育の問題点は何ですか?・・・常識的な彼の答えに、僕は反論する。現象の…

「演劇」覚書

例えば映画なら、ストーリーに反するような事物や撮影機材がスクリーンに映り込むことは、原則ありえないでしょう。しかし、演劇は、反ストーリー的な要素を排除できないし、むしろそういう不純物の現前が演劇の存在意義、立脚点ともいえるわけです。 演出家…

曜変

国宝曜変天目の再現にいどむ陶芸家の姿が忘れがたい。 テレビドキュメンタリーで、彼は、苦しくて仕方がない、とつぶやく。 それは、彼にとって作陶が目的でなく手段になってしまっているからだろう。 完全な曜変の輝きを捕まえるための。

非対象化労働

物語を生み出すのが、対象化の働きなら、ゼロ記号は、拡散する舞台を一つにつなぎとめる。 それは、いわば非対象化の働きだ。 恩師が編んだ概念で、思考する喜び。

蜷川

初戯曲のミニ芝居は、成功裡に終わった。 勉強会の場所が、百年の歴史を持つ旧旅館で、虚構のネタに事欠かなかったから。 年末のテレビで、蜷川幸雄も言ってたっけ。記憶を組織するのがよい芝居、と。

ゼロ記号

三人の勉強会用に、簡単な芝居の台本を書く。 その場で実際に演じてから、演劇を論じ合う、という試み。 日常の居室を舞台へと転轍するためには、意味を欠いたゼロ記号の配備が不可欠、と実感した。

埴谷

CDで埴谷雄高の洒脱な語りを聞く。 台湾での少年時代、空気銃でスズメを撃ち落とした経験が、自分の文学につながっている、と。 しかし、そのスズメは比喩であって、本物の他者でないようにも思える。鳥を眺めながら、ただ暮らしている者からすると。

吉本

部屋を片付けていたら、吉本隆明の講演CDが出て来た。 胎児期をふくむ母子関係からすべてを語っていく、重機のような論理。 たしかに、乱暴さが言葉を輝かすことも、あるにはある。