大井川通信

大井川あたりの事ども

教育

高学歴ニートにおごる金はない

次男には、子どもの頃から不思議な才能が有って、家にあるおもちゃを組み合わせて、自分で新しい遊びのルールを思いついたりした。そんなとき、おとなしい長男は、4歳年下の弟の考えた遊びに喜んで加わっていた。 中学の時の特別支援学級の担任に久し振りに…

次男の子育て(高校入学)

夏の一次試験、冬の二次試験と倍率3倍の試験をかいくぐって、特別支援学校高等部の一般就労を目指すクラスに合格した。二次試験では面接対策がぬけていたにもかかわらず、こわもての先生の質問にも臆せず単語で切り返す様子は、後から何度も笑い話の種になっ…

次男の子育て(中学校時代)

いよいよワタルもブレザーの制服を着て、中学に通うようになる。 小学校までは、1キロ弱だったが、中学までは2キロ以上の道のりで、自転車通学が認められていた。長男は幼稚園時代から自転車を乗り回していたが、ワタルは友だちと遊びまわる機会もなかったか…

似たものクイズ ‼︎

自然のなかには、よく似たものがあります。比べて、共通点に気づいたり、違いを見つけたりすることは楽しいし、自然を深く知ることにつながります。 それでは、浜辺でひろった固い殻シリーズでいきましょう。 では、一問め。そう、これは貝です。カズラガイ…

趣味と禁忌

小学生の頃、手品ばかりやっていて、学校の成績が落ちてしまったときに、父親から手品師になるつもりかと怒られたことがある。なってもいいのだけれどと思いながら、そこはすなおに手品を控えるようになった。 中学生になって、小説を読むようになったときも…

次男の子育て(作文と読書)

次男の勤める職場では、職員研修の後のレポートを書く課題がけっこうな頻度である。今回子育てを振り返りながら、次男が小学校入学時、宿題が好きだったことを思い出したが、今でも提出日の何日か前には書き上げてしまう。 確か入社して丸一年がたったときに…

次男の子育て(小学校高学年)

感覚統合研究会(SI)の3年間を修了すると、小学校入学前の療育施設「のぞみ園」から引き続く6年間の手厚い人間関係を、親子ともども失うことになった。ワタルは、ずいぶんしっかり言葉をしゃべれるようにはなったが、ひきかえに時には厳しい人間関係にさ…

『ケーキの切れない非行少年たち』 宮口幸治 2019

著者は、公立精神科病院で児童精神科医として勤務していたが、発達障害や知的障害をもち様々な問題行動を引きおこす子どもたちに対して、対症療法以外の支援方法を見いだせずに悶々とした日を過ごしたという。藁にもすがる思いで病院をやめ、支援のヒントを…

次男の子育て(感覚統合研究会)

小学校入学と同時に、ワタルは感覚統合研究会(「SI」)に週一回通うようになる。この会は、地元の教育大学の学生のサークルで、顧問は他大学に転出した先生が時々指導に来ていた。会では学生たちが感覚統合理論に基づいて療育する子どもを募集していて、ワ…

次男の子育て(小学校入学)

いよいよワタルの小学校生活が始まる。幼稚園での様子からは、補助の先生なしで小学校になじめるのか、とても不安だった。 ところが、四月には、ワタルが宿題にマルをもらってかえってきた。本人も「がっこうはしゅくだいがあるからいい」と話したという当時…

次男の子育て(てんかん発作)

幼稚園年長さんの9月に、はじめてのてんかん発作があった。朝ふとんの中で、口から泡を吹いて、よだれがながれ、身体がだらんとして無反応になる。(妻はよく、目が流れる、といっていたが、黒目がはじに寄ることだろう) この時は二日ほど入院し、薬を処方…

次男の子育て(幼稚園)

ワタルの幼稚園は、キリスト教系の園だった。僕が住んでいる住宅街がある丘のはずれの森の中の木造の園舎で、近くにはため池と小さな教会があった。僕もきまぐれで、一度だけ日曜の礼拝に参加したことがある。年配の園長先生が牧師だった。 やはりクリスマス…

次男の子育て(のぞみ園)

3歳から3年間、毎週一回、療育施設「のぞみ園」の療育訓練を受けにいくことになった。この施設の先生たちには大変お世話になった。今でもたまに、次男を連れて行ったり、親だけで訪ねたりする関係を保っている。海水浴やバーベキューなど行事もあって、保護…

次男の子育て(乳幼児期)

次男のワタルが二十歳になり、障害基礎年金の請求手続きをした。軽度の知的障害だから、認定は難しいかもしれないが、親の義務として必要な手続きはするべきだろう。といいながら、医師の診断書をとるのに手間取り、ずいぶん遅れてしまった。 認定請求には、…

面接試験の指導をする

知り合いに頼まれて、面接試験の指導をした。経験が少ないにもかかわらず、受験指導となると、つい力が入ってしまうのが悪い癖だ。さらには、そこそこの指導技術があるのではないかと勘違いしているものだから始末がわるい。 受験生は外見も態度も悪くない。…

『ほんとうの道徳』 苫野一徳 2019

学校教育については、次から次へと批判者が現れて、一面的な観点や一方的な思い込みから、正論めいた意見をはく。 なるほど、学校には様々な問題があるだろう。それは、一人の人間を見ても、家族を見ても、地域や企業を見ても、社会や世界をながめても、およ…

鳥の鳴き声の紹介(厳選版)

子どもたちに、三種類の鳥の鳴き声を聞かせる。いずれも、このあたりで昼間から、大きな声で鳴いているものばかりだ。 まずは、ウグイス。ホーホケキョは有名だけれども、谷渡りという鳴き声(ケッキョ、ケッキョと激しい)もウグイスであることを話す。同じ…

鳥の声とともに(2019バージョン)

今年も、視覚の障害のある子どもたちに、実際の音源を使って、鳥の声の聞き分け方の話をした。身近な鳥で、今の季節に戸外で聞くことができるもの、鳥の暮らしや人間とのかかわりの多様さがわかるものを選びたい。昨年より少しバージョンアップ。 まず、キジ…

山猫と紳士とどちらが愚かか?

昔、小学校の授業の指導案で、宮沢賢治の童話『注文の多い料理店』を読ませるときに、「山猫と紳士とどちらが愚かか?」という問いをもとに議論させるというものを見て、びっくりしたことがある。山猫にだまされて裸になり食べられそうになる紳士たちは確か…

『たぬき学校』 今井誉次郎 1958

小学生の時、自分のおこづかいで買った記憶がある。懐かしくて、一度県立図書館で借りて読んだことがあったが、今回はネットの古書で手に入れることができた。 ポン先生は、いつもタヌキの子どもたちに漢字百字の書き取りの宿題を出している。ある日、優等生…

向山洋一氏の教師修行

向山洋一さん(1943-)は、教育技術法則化運動で名高い教師で、たくさんの著書を持っている。彼が新任当時、我流で始めた教師修行について書いているものを読んで、その内容が強く印象に残った。優秀な教師ならば、そのことの意味が即座にわかるのだろうが…

聖徳太子とプロ教師

学校の教員と接するようになって、驚くのはその技量の差である。まさにプロと呼べるような先生がいると同時に、素人同然の授業しかできないベテラン教員もいる。本来はすべて専門家であるはずの教員の世界の中で、「プロ教師」などという呼び名がリアリティ…

一者対多数のコミュニケーション

今年度から教育系の大学で専任講師をしている友人が地元に戻ったので、久しぶりに会って話をした。とびきり優秀な小学校教師だった彼は、大学という職場でも、新しい環境を楽しみながら、研究に教育にフル回転している。若い友人の活躍というのは、本当に気…

夜の運動会

子猫を飼い始めて一カ月。まだまだオーナーとしては初心者だ。生き物と一緒に暮らすのはほとんどはじめてだから、いろんな発見があって面白い。 毎晩のことなのだが、それまでぐたっとしていた猫が突然、何かが憑依したかのように覚醒して、暴れ出すときがあ…

『想像力のテキスト』 山口タオ(文)津川シンスケ(絵) 2003

ずいぶん前に図書館の新刊コーナーで借りて読んで、これは手元に置いておきたいと購入したもの。その時のカンは当たっていて、読み直すたびに啓発される。 60頁のうち、ほとんどが絵を使った解説になっている。実際の世界の広さや地球環境の姿を、具体的な…

日めくりをめくって

「皆様、明けましておめでとうございます。皆様も、新年に抱負を持たれたかと思います。私は、小さいことですが、毎日朝一番に日めくりカレンダーをめくることにしました。 日めくりには、その日のことわざが書かれています。今日は、『頭が動かないと尾が動…

いじめっ子と妻(その3)

次男は、二歳を過ぎても言葉が出なくて、幼稚園に入っても、園ではいつもお世話をしてくれる専任の先生の膝の上にチョコンと座っていた。小学校に入学後もしばらくは、クレヨンしんちゃんなどの好きなアニメのセリフを好き勝手にくりかえすことが多くて、友…

いじめっ子と妻(その2)

妻の小学校の高学年の時の担任は、新任の男の先生だった。ひどいいじめにあっていたとき、その担任の先生から、「お前は強いなあ」と言葉をかけられたことを覚えていて、それが救いになったという。先生がどういう文脈で声をかけたのかはわからないが、妻は…

いじめっ子と妻(その1)

風邪で体調が悪く昼間から寝ていると、妻が買い物から帰ってくる。少し興奮して、小学生に怒ってやったと言っている。 話を聞くと、小学3,4年生くらいのグループが下校中に、ある男の子が、一人の子に対して、「お前を今度から〇〇と呼んでやる」としきり…

基礎研究と体験活動

今年も、日本人のノーベル賞受賞者が誕生した。ひと昔前は、手放しで賞賛して、あげくにはアジアの諸国への優越感を振り回すような論調まであったが、ずいぶん冷静な受け止め方に変わってきたように思う。現在の受賞は、かつての研究の成果なのであり、目先…