大井川通信

大井川あたりの事ども

教育

『はじめに子どもありき』 平野朝久 1994

教育が、今とても困難なところに来ているのは衆目の一致するところだろう。ただ、その現状を、一方的な非難ややみくもな叱咤激励ではなく、適切に説明してくれる言葉はなかなか見当たらない。それで、自分なりに教育現場を外から観察して、仮にこんな見取り…

就職という通過儀礼

長男が赴任地から帰省したら、ずいぶん素直になっていたと妻がいう。たしかに笑顔が多くなっているが、その顔は少し自信なさげにも見える。雰囲気で言うと、中高生ぐらいの面影に戻っているようだ。彼自身も就職した友人に久しぶりに会ったら、幼くなったよ…

お饅頭のリレー

初任給が出たとき、次男は卒業した特別支援学校に、お菓子をもってあいさつに行った。もちろん親がアドバイスして、学校まで車で送り迎えもしてあげたのだが。学校の職員室と、寮の職員室との二つ分の菓子折りをもって、次男は、ひさしぶりの先生と照れくさ…

ブルークロスムーブメント

知り合いの紹介で、ブルークロスムーブメントの集会に参加した。元暴走族の総長で、更生後に暴走族をボランティア団体に変えたことで有名な工藤良さんが中心になって、立ち上げた運動のようだ。司法、教育、福祉が連携し、非行少年の立ち直り支援にむけての…

水平線上に突起をつくれ

数年前、ある高校の卒業式に出席した。その学校の校訓は「水平線上に突起をつくれ」という一風変わったもので、校歌を歌う前にも、まず「突起をつくれ!」と大声で気合を入れる。由来を調べると、大正時代の初代校長の言葉のようだ。100年前には、今聞く…

二人の教師

最近、続けて二人の先生と話をする機会を持った。 一人は、もう40代のベテランだが、とても若々しい。もともと同和教育で鍛えられた先生だが、研究機関での1年間の研修のあとは、その成果を地元に還元しようと自分で勉強会を作って、若手に学びの機会を提…

ごん狐 新美南吉 1932

初めに読んだのは教科書だと思うが、久しぶりに手に取った。今でも小学校の教科書の定番である。国語の授業では、主人公の心理を読み取ったり、物語の形式を意識したりすることが中心のようだが、ここでは、「大井川歩き」あるいは「なぞり術」的な読みを試…

授業がうまい教師のすごいコミュニケーション術 菊池省三 2012

菊池メソッドで有名な著者の本を初めて読んだときは、驚いた。子どもをほめればやる気を出して学力も上がる、というくらいの話だと早合点していたからだ。実際はそんな生やさしいことではなかった。 彼は荒れた学級で、子どもを一人ずつ教室の前に立たせ、級…

必ずクラスを立て直す教師の回復術! 野中信行 2012 

1971年に教員生活をスタートさせた筆者は、70年代(まで)と、それ以降の現代の教師の仕事とがまるで違ったものになっていることを、冒頭、簡単な図で明示する。以前は、授業と行事に力をそそげばよかったのだが、現代は土台としての学級づくりが過半…

夢中の教育論

夢の中で、見知らぬ校長と話をした。大学受験の話題で自分より一歳年少だとわかる。校長は友人との毎週の勉強会も欠かさないという勤勉な人で、さっそく僕は問いかけてみた。今の公教育の問題点は何ですか?・・・常識的な彼の答えに、僕は反論する。現象の…