読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

大井川通信

大井川あたりの事ども

日々のこと

おっさんち

母の見舞いもかねて、帰省する。 隣町の姉のマンションに一泊して、姉と実家まで歩いたとき、小学生の頃通った駄菓子屋があった近辺を通りかかった。帰ってからネットを見ると、バラックの小屋のような店や、店主のおっさんの風貌まで懐かしむ書き込みや記事…

自転車で

父は退職まで、隣町の立川の工場に自転車で通っていた。僕が家を出た後のことになるが、府中の再就職先まで、8年間やはり自転車で通勤したようだ。小学校の頃は、月に一度几帳面な父と一緒に、自転車をピカピカに掃除をするのが習慣だった。 父が定年になっ…

理髪店

辞令交付の前日、髪が伸びているのが気になって、夕方、職場近くの「床屋」に思い切って入ってみた。髪を切られるのが苦手で、昔ながらの理髪店でそれも行きつけのところでないとだめだ。職場の地名が店名になっているのも何かの記念になるだろうと、扉を開…

卒業式雑感

次男の特別支援高等学校の卒業式に夫婦で出た。大学4年の長男に声をかけると意外にも、式に参加するという。そういえば、次男の中学の卒業式も、家族全員で参加したっけ。神妙に立つ次男を取り囲んで、かかわってくれた中学の先生たちが順番に声をかけてくれ…

猫とカラス

通勤では、森の峠道を走るから、タヌキが車に轢かれているのによく出くわす。そのつど、タヌキの家族のことや、魂の抜けた死体がしんと静かなことが、一瞬頭をかすめたりするが、それだけのことだ。 ところが今朝は、猫の礫死体があって、その頭の半分ほどを…

介護職員研修

特別支援学校の高等部を、次男がこの春卒業する。なんとか希望通りに、老人介護施設に就職できそうで、来週から、資格取得の講座に通うことになった。 下見のために、会場になる大学に通う道を夫婦と次男で歩く。短期間でも大学に通えるので、彼も気合いが入…

数珠と呪術

長男が友達にしたという笑い話。 夜、リビングに入ると、母親が大好きな心霊番組を見ていたのだが、その姿というのが、画面に向かい、数珠を握って拝んでいたというのだ。 そして、こちらは少し怖い話。 長男が彼女を家に泊めてしばらくの間、邪気を払うため…

初詣

戦中派の父にとって、天皇制と神道は不倶戴天の敵だったのだろう。我が家では、初詣に行く習慣すらなかった。 そのせいか僕は今でも、本心から何かに祈ることができない。 博多の街で神仏に囲まれて育った妻と暮らして、そう思う。

父の遺影

無神論の家風のせいで、帰省しても取ってつけたような仏壇に手を合わせることもしなくなった。 家を出て30年、父が死んで10年。 母と姉が選んだ、とびきりの笑顔の父の写真を見上げて、はじめて自然に言葉がかけられるように思えた。

歯車

急に視界の中心が盲点のように見にくくなり、視野の左側上部でさざなみが立つようにチラチラしだすが、今回はそれが広がらないうちに収まった。 閃輝暗点だろう。芥川龍之介が自殺の年に『歯車』で描いた症状だ。 ただし僕の場合、どちらの目にも同じ形で、…

なまず

今年で子育てが終わる。 夫婦で、昔子どもたちを遊具で遊ばせた公園を散歩してみる。 冬日が暖かい。 近くの神社まで足を伸ばすと、神様の前で、狛犬と一緒に石のナマズが向きあっていた。