大井川通信

大井川あたりの事ども

鳥たち

かわいい鳥/おもしろい鳥

近頃は、双眼鏡をもって散策することがなくなったばかりでなく、短眼鏡を失くしてしまって、往復の通勤時に鳥を見つけることもまれになってしまった。こんなことではいけないと思いつつ。 駅までの通勤路で、街なかにあるため池の名前は新池という。冬場で水…

ホシゴイに出会う

バードウォッチャーを自称して、一時はその記事も多かったが、近頃はすっかり鳥のことも書かなくなった。思い返しても、この冬は街中でイソヒヨドリのメスの姿を見かけたくらいだ。あとミヤマガラスの群にも会えた。しかし、フィールドを歩き始めさえすれば…

馬場浦池カイツブリの近況

馬場浦池では、この2,3年春のシーズンにカイツブリが巣を作ることがなかった。300年の歴史をもつこのため池で、カイツブリが営巣するようになったのがいつ頃からなのかはわからない。この近所に長く住んでいた森崎和江さんも、カイツブリの姿を楽しん…

カワセミを真横から見る

夕方、大井川の周辺を歩く。土手を歩いていると、不意に目と同じ高さを、ブルーの小鳥が一直線で飛んでいく。 カワセミは、小川をのぞきこんだ時に、水面をまっすぐに飛んでいく姿を見下ろすことが多い。その時カワセミの背面は、輝くようなコバルトブルーだ…

聞けたもの、聞けてないもの

昨年は定年退職で年度初めの時期にバタバタしたが、今年は別の意味で(家庭で大きな「事件」が二つ重なって)4、5、6月と落ち着かなかった。 それでも桜は、楽しむ機会はあったと思う。ツバメがいつ来たのか、気づくことはなかった。そもそも今年はツバメ…

ムクドリの親子

テレビのニュースで、駅前の街路樹などをねぐらにして、すさまじい数の鳥が集まっているという報道があれば、まちがいなくそれはムクドリだ。 スズメなどの小鳥より一回り大きいが、同じくらいのサイズのツグミやヒヨドリに比べると、尾が短くてずんぐりした…

カラスと遊ぶ

カラスが何羽か集まっている木に近づいても、逃げようとしないカラスがいる。カンタロウかと思ったが、どうみても小柄で、おでこのでっぱりもないハシボソガラスだ。毛並み(?)も黒々として立派なカンタロウと比べると、どこか貧相だ。 それにしても人懐こ…

カンタロウ再考

この間の二度の邂逅のあと、またカンタロウの姿を見なくなった。相変わらず、東公園ではカラスの数自体だいぶ減っているような気がする。 実は、あの二度の邂逅の解釈について、自分でも少し気になっている部分があった。一つは、カラスが木の枝をおって落と…

カンタロウさん一家

昼休み、東公園の中を歩いても、ほとんどカラスの気配はない。昨日のカンタロウとの出会いは幻だったのか。 そう思いつつ、仕事帰り、昨日カンタロウが現れた公園の入り口近くにさしかかる。当然ながら、偶然の出会いはそうそうあるわけではなかったが、念の…

カンタロウと再会する

外田さんから、カラスのカンタロウのことを尋ねられた。カンタロウにはしばらく会っていない。吹雪の中で鳴きまね合戦をしたのが、カンタロウとのクライマックスだったような気がする。 5月に入っていくつか大変だったことのメドがついて、少し気持ちに余裕…

カンタロウの恋人

昼休みに公園を一周する日課は続けていたが、カラスに出会う機会はめったになくなっていた。今朝は、久しぶりに公園がカラスの声で騒がしく、例のジャージ姿のお年寄りもそれにつられてカラスみたいな奇声を発している。 昼休み、いつもの小山の林にむかって…

ハトに話しかける男

昼休みに公園の周遊路を歩いていると、道の脇にある水飲み場の上にハトがとまって蛇口をつついている。この公園で人なれしたハトはまったく珍しくないが、奇妙なふるまいが目にとまった。 おそらく水が飲みたいのだろうが、水がたまっていないのだろう。近づ…

鳥のいろいろ

家の近くの馬場浦池は、冬の間水が抜かれていたが、雨の水が少しづつたまり始めた。春に向けて、ため池の姿を取り戻す時期になったのだ。 カラスに追われた鳥が、池のふちのイチョウに止まったので目をこらすと、頬のあたりが白く輝いて見える。よく見ると、…

影武者カンタロウ

依然として、都市公園にはカラスが少ない状況が続いている。昼休み公園内を歩き回っても、カンタロウどころかそもそもカラスがいない。ただ、僕はそれでいいと思っている。 この寒空の中で、人から嫌われているカラスが生き延びるのは大変だ。僕も長年バード…

カラスな男

僕の職場は、駅前を出て、都市公園の散策路を歩いて通えるようになっている。いったんカラスの姿を見かけなくなった都市公園も、朝にはカラスが集まるようで、カラスの鳴き声が飛び交っている。 その鳴き声の中に、少し違和感のある声が交っているのに気づい…

都市公園の小鳥たち

カンタロウのことばかりになっているが、真冬にも都市公園にはいろいろな鳥たちがやってくる。池や水路に我が物顔で居座っているのは、たくさんのマガモだ。夏には見かけたカルガモはすっかり居場所を奪われている。 マガモは意外に重量級でパワフルな鳥だか…

大寒波のカンタロウ

日本列島に大寒波が襲来するということで、朝から不穏な空模様になった。しんから冷え込んで、寒風が吹き荒れている。お昼前からは吹雪くようになり、突風に雪が舞っている。まるで北国だ。これでは電車が止まるかもしれないと、午後から仕事を切り上げるこ…

カラスの亡骸とカンタロウ

年初のお祭りが終わってから、東公園からカラスの姿が消えてしまった。広い公園の周辺では、何羽かのカラスを見かけるのだが、かつて公園のあちこちで何十羽もいた群れの姿が見当たらないのだ。 公園の小さな池と水路には、冬に飛来したたくさんのカモたちが…

カンタロウ vs. 十日恵比須(とおかえびす)

カラスたちの根城である東公園が、新年の名物行事である十日恵比寿のお祭りの屋台一色となった。様変わりした公園を、カラスたちはどんな風に思っているのだろうと、ついついカラス目線で考えてしまう。 残飯や生ごみにありつく機会は増えるだろうから、年に…

旅先のミヤマガラス

職場近くの公園でカラスと遊ぶようになってから、いっそうカラスのことが気になるようになった。とはいっても、カラスはたいていどこにでもいて、見た目もまっくろでいっしょだから、どこで見かけようと特別に目を引くことはない。 例外は千羽カラスで、たく…

カラスと会話する(51日目)

いきなりコート姿の長身の男がカラスのたまり場の真ん中に現れて、奇妙な鳴きまねを始めて、カラスたちが混乱して逃げ惑う。これでは、まるでカラスをいじめに公園に行っているみたいだ。かんじんのカンタロウにも嫌われてしまったかもしれない。 そろそろや…

カラスと会話する(39、43日目)

39日目 今日は、まずカラスの多い池の周囲へいく。僕が鳴きまねをしながら足を踏み入れると、おかしなニンゲンカラスが来たと、カラスたちはパニックになって騒ぎ出す。この中にカンタロウがいるだろうか。なんとなくそれらしいカラスの姿が目にとまるが、確…

カラスと会話する(32、37日目)

32日目 今日も、林の中にはカンタロウはやってこない。池の周囲のたくさんのカラスに鳴きまねをすると、群れは騒いで飛び回りはじめる。すると、近くの枝に飛んできて、逃げないカラスが。いくら見ても区別がつかないが、カンタロウか。ニンゲンの言葉で話し…

カラスと会話する(31日目)

一昨日は、カラスの群れの中でカンタロウに久しぶりに出会えたが、昨日はいつもの場所で待っていてもカンタロウは来なかった。11月の最終日で、上着なしでは震えるくらい昼休みでも寒くなっている。 今日も、いつもの場所にいくのだが、近頃は公園のモミジの…

カラスと会話する(29日目)

カラスのカンタロウと交流ができるようになって、29日目。この10日ばかりは、それらしいカラスさえ現れず、カンタロウに会うのをあきらめないといけないと思い始めていた。 今日も、最初に彼に出会ったこんもりした林の中で、ストレッチをしたり、正拳好きや…

カラスと会話する(19日目)

11日目以降、カンタロウだと確信のもてるカラスに出会えなくなった。最初に出会った林のあたりは、実のなる小ぶりの木が密集して生えていて、近頃はヒヨドリの群れがいることが多い。これが原因でカラスが寄り付きにくくなったのではないか。 東公園にはたく…

カラスと会話する(9日目、11日目)

五日間、間をあけて公園に行く。いつもの場所でしばらく待ったが、やってきたカラスは、カアー、カア―という鳴き方をするばかりで、ちょっとカンタロウ(この名前にしました)らしくない。それでも、近場の木にとどまっていたから、おそらくカンタロウだった…

カラスと会話する(三日目)

今日は仕事が忙しく、昼休みは遅れた仕事を片付けたいところだ。ただ、明日から五日ほど職場にこないので、カラスに忘れられてしまうのではないかという不安もある。 それで意を決して公園のいつもの場所にやってきたのだが、今日は人が多い。遠くにいるカラ…

カラスと会話する(二日目)

翌日、同じ場所で待っていると、聞き覚えのあるクワッ、クワッの声が聞こえてくる。その鳴きまねをしてみると、昨日のカラスがまた近くの枝にやってきた。真っ黒でも、どことなく個性があるものだ。 カラスはいきなり、昨日とはまったく違う、普段聞いたこと…

カラスと会話する(一日目)

職場の前の都市公園を散歩しながら、調子よく光太郎や朔太郎の詩を吟じていると、すぐ目の前の枝にカラスが飛んできてとまった。三メートルくらい先の低い枝で、人なれしている都会のカラスでもふつうなら逃げ出すような距離だ。 はじめカラスが普通に鳴いた…