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大井川通信

大井川あたりの事ども

おっさんち

母の見舞いもかねて、帰省する。

隣町の姉のマンションに一泊して、姉と実家まで歩いたとき、小学生の頃通った駄菓子屋があった近辺を通りかかった。帰ってからネットを見ると、バラックの小屋のような店や、店主のおっさんの風貌まで懐かしむ書き込みや記事を見つけることができた。

作業着姿のやせた老人だったおっさんが店をたたんでから、40年はたつだろう。

しかし今でも、店内の壁一面につるされた玩具をありありと思い出すし、それは僕だけではないらしい。店の右奥に座るちょっと威厳すらあるおっさんの姿を描いている人もいて、そうそう、と膝を打った。

死後に残せるのは、自分のために集めたものでなく、他者に与えたものだけだ、という言葉を読んだ記憶がある。

町外れの小さなおっさんの店を思い出すと、本当にそうだな、 と心から思う。