大井川通信

大井川あたりの事ども

チョウゲンボウを見た

初夢の縁起物として、一富士二鷹三茄子、と言われるくらいだから、昔から鷹は珍重されてきたのだろう。トンビが鷹を産む、ということわざからは、姿形が立派でもめったに生きた獲物の狩りをしないトンビは、鷹のカテゴリーに入れてもらえないことがわかる。平和や平等を愛するとはいっても、人はどこか好戦的で強い者が好きなのだろう。突飛なたとえだが、旅客機や輸送機よりも戦闘機に魅入られる心理と共通なのかもしれない。

この地域で、普通に見られる猛禽類はやはりトビだ。ありがたいことに、ミサゴも身近に観察できる。この二種類を見慣れると、たまに出くわすノスリを見分けられるようになる。トビより白っぽく、ミサゴよりずんぐりしている。

小型の鷹は、じっくり観察する機会があまりない。それでも森や林の近辺では、ハイタカが機敏に飛ぶ姿に気づくようになった。また、広い田畑で電線に止まる小型の鷹をたまに見かけることがある。先日も、運良く川沿いの電柱に止まる姿を見つけたが、首から腹にかけてあいまいなマダラ模様で特徴がない。飛び立つと、両翼の先が細くとがり、尾羽が細長くスマートな印象だ。数回の羽ばたきの間にふわっと浮くような滑空を見せながら、川の上を低く超えていった。

図鑑やネットで調べると、チョウゲンボウ(長元坊)であるのは間違いないだろう。ハヤブサの仲間だ。こうしてしっかり特定すると、不思議と出会う機会が多くなるから、たのしみだ。