大井川通信

大井川あたりの事ども

親戚の消滅

葬儀のあと、親戚と久しぶりに顔をあわす。僕たちの親の世代(80代以上)が姿を消して、いとこたち(50代以上)が中心になり、その子どもたち(20代以上)がいくらか加わる。

父親は4人兄弟、母親は6人兄弟。当時としては、けっして多くはないだろうが、計10人の結びつきが、親戚の広がりをつくっている。

いとこ世代の兄弟数は、ほぼ2〜3人か。いとこの子どもとなると、ほぼ0〜2人に収まる。彼らのうわさを聞くと、独身が多数派だから、子どもの数はさらに激減するだろう。

僕にとっては、ざっと数えて16人の叔父叔母夫婦と16人のいとこ(とその配偶者)の一団が親戚のイメージを形作る。しかし、僕の子どもには、叔父叔母は3人、いとこは2人いるだけだ。だから、親世代が、かろうじて子どもたちに見せることのできる血縁のネットワークは、代替わりとともに、一瞬で消え去るだろう。

しかし、それを心配するのは、旧世代の感性なのかもしれない。彼らは、はるかに広範囲な情報ネットワークの中に、住んでいるのだから。