大井川通信

大井川あたりの事ども

トビとアオサギ

またしてもトビの話題で申し訳ない。鳥好きの人からみれば、おそろしく雑な鳥見報告に思えるだろう。しかし、珍しい場面を目撃したので、記録しておきたい。

かなり上空をトビが旋回している。その近くを旋回する鳥がいるのだが、トビの仲間にしては形が違う。翼の大きさは同じくらいなのだが、細長い首が突き出ている。瞬間的にアオサギと判断したのは、このあたりではダイサギよりも多いのと、色も白くは見えなかったためだ。それほど高く、双眼鏡も手元になかった。

サギは直線的に飛ぶことが多くて、トビのように旋回しながら滑空することは見た記憶がない。サギは明らかにトビのあとを追う素振りを見せており、ほとんど交差するように接近する時もある。あきらかにサギのほうからトビに仕掛けている。ふだん首を縮めて飛ぶサギが、首を伸ばしクチバシを突き出しているように見えるのは、攻撃的なサインなのだろうか。

トビの方から攻撃し返す様子は見えないが、場所を譲って逃げ出すわけでもない。このためこの「空中戦」はかなり長く続いていたのだが、やがてサギの方が、仲間の一羽に促されるように、森の方へ消えていった。ふだん田んぼや小川で黙想するようにたたずんで、魚を待ち伏せするアオサギを見慣れている目には、意外なほどやんちゃな振る舞いだった。

カラスにちょっかい出され、追いかけられるトビを見かけることは多いが、サギにまで追い回される姿は初めてみた。ますます、トビ、しっかりしろよといいたくなる。