大井川通信

大井川あたりの事ども

いじめっ子と妻(その1)

風邪で体調が悪く昼間から寝ていると、妻が買い物から帰ってくる。少し興奮して、小学生に怒ってやったと言っている。

話を聞くと、小学3,4年生くらいのグループが下校中に、ある男の子が、一人の子に対して、「お前を今度から〇〇と呼んでやる」としきりにからかっている。「そんなこと自分がいわれたらいやでしょ!」と、うしろからしかりつけたという。男の子は、「はい」とばつの悪そうな顔をしていたそうだ。同じ住宅街の子どもだから、ふつうなら遠慮して見過ごしてしまうかもしれない。

妻には昔から妙に正義漢の強いところがあった。長男の幼なじみが中学に入って荒れて、いろいろ問題を起こしていた時も、外で平気で注意していたようだ。住宅街で竹刀を振り回して自転車に乗っていたときには、危ないでしょと怒ってやめさせ、バスで会ったときも暴力団ややくざになったらいけない、と説教したらしい。妻曰く、子どもの頃、障害のある次男をかわいがってくれたりして、根はいい子どもだから。

妻は、小学校高学年の時にひどいいじめにあっている。クラスの女子のグループのターゲットになり、盗みの濡れ衣を着せられたりして、食事もとれなくなった。半世紀近く前のことだから、学校にいじめ対策なんてものはない。

祖母が見かねて、同じ市内の実家に住所を移し、違う校区の中学に進学させてくれた。おかげでいじめはピタリととまり、その中学での学校生活は楽しい思い出となったらしい。今でも中学の友人とは付き合いがあるようだ。

ところで、小学校でひどいいじめを受けながらも、その時救いになったのが、当時先生になりたての若い担任の男性教師の存在だったことは、結婚当時からたびたび聞いていた。だからできれば会わせてあげたいと、ずっと思っていた。