大井川通信

大井川あたりの事ども

自転車で初詣

歩きを控えなければいけないので、自転車で初詣に出かける。

和歌神社、水神様、大井始まった山伏様にお参りして、村はずれの観音堂と大クスに挨拶しているときに、町内放送が鳴る。和歌神社の新年会の参加の呼びかけだ。

宗像大社までの車道には、すでに車の長い渋滞ができている。集落沿いの小道を自転車で快調に走る。宗像大社にはすでに参拝客が大勢いた。しかし元日の朝8時半にしては、それほどの人の出ではない。

一昨年の宮司殺人事件で富岡八幡では初詣客を大幅に減らしたときく。交通安全を売り物にしている宗像大社神職が、先日飲酒運転で逮捕され免職になった。そんなことがじわじわ効いているのかもしれない。

世界遺産の登録によって、昨年から境内の夜店の出店に制限をかけたらしく、それもさみしい。北海道を拠点とする名店「東京ケーキ」の名物女将の姿は今年もなかった。

釣川を渡って、鎮国寺にも足を伸ばす。こちらは初詣客もまばらだ。真言密教のお寺で、山伏とのかかわりも深い。本堂の中で僧侶が、参拝客にまじないのような術をかけているのが面白かった。門前の民家の垣根にジョロウグモの姿を見つける。零度になるような冷え込みのなか、年を越したのはえらいものだ。

帰り道、老人ホーム「ひさの」に寄って、年始の挨拶をする。ミーティング中の好さんが、うちは年中無休ですよと笑いながら顔を出してくれた。103歳のハツヨさんもお元気だそうだ。

途中、地元の人が神職を車に乗せて案内する姿を見かける。おそらく各地区の氏神の祭礼をかけもちしているのだろう。元日は大忙しだ。

やはり、同じ車輪を使っていても、自転車は自動車よりもはるかに土地とのつながりが強く、自然や人々との対話の道具となりうる。多少節を曲げることになるが、今年は自転車を活用して、地元をまわることにしよう。