この時期になると聞く言葉で、自分の口からも自然に出てしまう。ただし僕がはっきり記憶していたのは、二月以降の部分で、一月は行く、はあまり耳なじみがない。「二月は逃げる」の意味は、大正生まれの父親から、子ども時代に聞かされたような気がする。
一月には正月等の行事が続き、二月は28日しかなく、三月は年度終わりであわただしい、というのが言葉の背景にあるのだろう。語源や出典がどうも明らかでなく、ことわざ辞典にもあまり取り上げられないようだ。しかし多くの人が口にするのは、人々の生活実感に即していて、生活のいましめとして実際に役に立つからだろう。
一月が早く過ぎるのは、年末年始の長期休暇明けということに加えて、年が改まったことで新しい気持ちで日常や仕事に向きあえるという点も大きいと思う。新鮮な気持ちになると時間が早く経過する。
休み明けの月曜日(の特に午前中)に職場での時間が早く過ぎることに若いうちから気づいていて、憂鬱な週始まりを乗り切る心の支えにしてきたところがある。これも新鮮さの感覚が影響しているにちがいない。
ところで、この月曜の実感をあらわす言葉はないのだろうか。月曜はゲッタウエイ(get away)、とか。