大井川通信

大井川あたりの事ども

日曜日のデデポッポ

日曜日の朝、外に出ると、デデポッポポー、デデポッポポーと、どこからともなくのどかな調子のキジバトの声が聞こえる。こればかりは、住む場所が千キロ離れようが、50年の時間を隔てようが、変わらない。

それで、ブログに、「日曜日のデデポッポ」という記事を書こうと、タイトルだけ先に決めてしまった。内容はたいしてなくても、このタイトルが気に入ったので。

キジバトの声は、特定の音源からというより、風景全体になじんで低く響いているようで、遠近をつかみにくい。しかし、意外と近くの電線で鳴いていたりするものだ。今朝もすぐにその姿を見つけることができた。

僕が小学生の頃は、土曜日は半日の授業があったから、朝家でゆっくりくつろげるのは日曜日だけだった。小さい僕も、やはり家族が起き出す前に家を出て、少し遠くの町まで遠征したりする。その時町に響いていたのは、このデデポッポだった。

その頃の僕は、その声をどんなハトがどの場所で出しているかなんて関心はなかった。ただデデポッポを耳にしながら、ひたすら自転車を走らせて、帰ってくると、父母と姉といつもより遅い朝食をとった。

デデポッポポー、デデポッポポー、と続く鳴き声は、いつも、デデで、不意に終わる。