大井川通信

大井川あたりの事ども

イノシシと野ウサギ

かつては、人間たちのくらしの身近な隣人だった動物たち。都会暮らしとは言わないまでも、ふつうに街で暮らしていると、彼らに出会う機会はまったくなくなっている。昔話や絵本でおなじみの動物でも、実際の姿には驚くことが多い。

たとえばイノシシ。僕は昔、それが野生のブタくらいに思っていた。しかし里山で出くわしたり、草原を走ったりしている姿は、だんじてブタではない。筋骨隆々たるバッファローだ。だから恐ろしい。

田畑で出くわすキジのオスは、田舎の風景から浮き上がってみえるくらい派手な姿だ。道ばたにうずくまる地味なメスも、驚くほどでっぷりとしている。シカはでかい。マムシは太い。イタチはマフラーみたいにヒラヒラ歩いている。

ところで今日、生まれてはじめて野ウサギというものを見た。落ち着いてゆっくり道を横断していく。思ったより大きく、なんだが人間みたいだ。全身茶褐色のピーターラビットという感じ。人間らしく見える理由は、手足がとても長いということもあるだろう。同じ付近で野ウサギを見たという職場の人は、最初はカンガルーかと思ったというが、これはとてもよくわかる。見た人でないとわからないだろうけど。