大井川通信

大井川あたりの事ども

自分にとって特別な本

読書会で、珍しく自由回答の課題が出た。以下はその質問の要旨と回答。

・特別な本 

岡庭昇『萩原朔太郎』1981年読:この本で批評の世界を知る。

中川武『建築様式の歴史と表現』1987年読:この本で生活の迷路を抜ける。

永井均『〈子ども〉のための哲学』1996年読:この本で思想の迷路を抜ける。

・呪文のように取りついた言葉

「批評」:少数の言葉の組み合わせで世界がつかめるという思いは今も続く。

・自慢の美麗本

大友克洋童夢』のでっかい愛蔵版。美しくはないが。

・文体への影響

ナンシー関のエッセイ:簡潔で面白く「寸鉄人を刺す」文章は、批評のお手本。

・翻訳による違いを感じた本

最近、ゴーゴリの新訳を読んで、戦前の名訳(平井肇訳)の良さを知った。

・読んでない蔵書

蔵書の半分以上が今後読むだろう未読本。だから特別な本は選べない。

・評価が180度変化した本

読み返すと梶井基次郎が思ったほど良くなかった。井伏鱒二がイメージよりずっと良かった。180度変わったわけではないけど。

※ちなみにこの読書会は、愛猫ハチの死で参加できず、この回答はお蔵入りとなる。