アメリカの政治学者パトリック・デニーンの言葉。新聞のインタビュー記事で見つけたものだが、今の自分にはとてもしっくりとくる言葉だ。
自由主義は、こうした制約をなくても困らないものとし、自分が思う通りに自由に動き回ることをよしとして、そこから膨大な利益を得る新たな特権階級、エリート層を生み出してしまったと、政治学者はいう。
その結果、社会は分解し、世界には様々な分断線や亀裂が生み出され、自然は人間が思うままに利用可能なものとされて傷つけられている。
教育の世界でも、このエリート層の養成が急務とされたり、今さら「自由の相互承認」が根本原理であると宣言されるアナクロニズムが横行している。
自由主義の失敗や限界をのりこえるためには、それがなきものにしたローカルな「自然、時間、土地」にこそ目をむかないといけない。それは一見保守的な姿勢に見えて、今の時代にもっとも大切な態度なのだと思う。
このブログでは、身近な「自然、時間、土地」と自らの身体に根差しつつ、「不自由」の中の自由を求めて言葉と思考を紡いでいきたい。少なくともその志は持ちつづけたいと思う。