大井川通信

大井川あたりの事ども

テンもいてんの?

玄関先のポーチに細長い小さなフンが置かれている。妻に聞くと、以前から時々見かけるらしい。ネットで調べると、イタチのフンであることがわかった。

イタチは石張りの玄関にフンをすることを好むという習性までわかった。フン害にあった人が、ネットで現場写真を報告してくれているからだ。

しかし、と思う。ネットのない時代には、こんなことどうやって調べたのだろうか。図書館に行っても、動物の図鑑や生態の本はあっても、フンの写真まで見つかるかどうか。専門家の知識や、経験のある人の知恵が重きをなしたのだろう。

田んぼの近くや神社の境内ではイタチは見ることはあったが、こんな住宅街の中までナワバリにしていたとは。足元に「イタチがいたっち」というわけだ。

ここまではイタチの話。

地元にできたカフェで、食事をしていると、店主と、テンの話になった。実はこの地域には、テンもいるそうで、彼女は中学校のグラウンドで目撃したそうだ。

よく見ると店内には、顔の白いてんをモチーフにした「テンちゃん」のゆるキャラグッズがおいてある。お菓子や缶バッジ、絵本まで。

地元を盛り上げるために、店主が自分で考案して宣伝していたら、市役所ものっかてきたそうだ。クラウドファンディングで資金を集め、着ぐるみ制作を計画中のこと。

ドラクエ好きの店主は、これで世界征服すると、大きなことをいう。実際、子どもの受けもよいようで、博多のデパートでのお菓子の売り上げも上位だそうだ。シンプルで魅力あるデザインだし、仲間のキャラも楽しく、僕にも、これはいけるのではないかという気がする。

すごい人がいるものだ。僕も、一見何もない大井の地で、新たな神話たちを生み出して、世界に類のない土地にするのだと、ホラを吹く。そのときは、ヒラトモ様に、テンちゃんに負けないゆるキャラになってもらわねば。