出張で東京を往復する。東京行きは、このところずっとスカイマークのボーイング737だ。
ひと頃のジャンボやエアバスに比べたら、ずいぶん小柄でほっそりしている。だいいち、エンジンも両翼に一つずつしかついていない。バードストライクとかで、エンジンの一つが止まっても大丈夫なのだろうか。
僕は、旅客機に搭乗するとき、扉の脇の機体の外側をポンポンと叩いて、「よろしく頼むよ」と声をかけるようになった。そこは、いったん離陸すれば、凄まじい風圧と気圧と低温にさらされる場所だ。
無事に目的の空港に到着して、飛行機を降りるときには、こんどは、「ありがとう、お疲れ様」と言って、また同じ場所をポンポンとたたく。
羽田のロビーで好物の崎陽軒のシュウマイ(弁当ではなくシュウマイのみの詰め合わせ)を食べていると、彼は新しい乗客を乗せて、気ぜわしく次のフライトの準備を始め出す。飛行機も楽な商売ではないのだ。