大井川通信

大井川あたりの事ども

クレープの味

妻から聞いた話。

金曜日の夜は、次男は一駅前で降りて、ショッピングモールの中で夕食をとり、整骨院でマッサージを受けてリラックスする。僕が忘年会だったので、長男の運転でモールの次男を迎えに行き、3人分のクレープを買って戻ったそうだ。

テーブルを囲んで、親子でクレープを食べる。大人になった長男と次男が目の前に並んで、おいしい、おいしいとクレープをほおばる。

子どもたちが小学生の頃は、これが見慣れた風景だった。今では、テーブルのまわりを、新しく家族になった猫の九太郎が歩き回る。480円のクレープで、とてもしあわせを感じたという。

こんなことができるのも、長男が転職を考えて家に戻ったためだろう。社会人になって、一回ごつんと頭をたたかれて、長男もだいぶカドがとれた。次男は、相変わらずマイペースでがんこだけど、すなおでやさしい。母親も、前みたいに頭ごなしに言わないように気をつかっているようだ。

本当は、どんな一日もかけがえのないものなのだろううが、「家族」をやり直せている今は、奇跡のような時間なのだろう。