大井川通信

大井川あたりの事ども

2017-07-01から1ヶ月間の記事一覧

コジュケイ

大井川周辺でも、里山から、チョットコイ、チョットコイ、という大きな声を聞くことがある。 新しい職場は、広い松林に囲まれているから、いつも賑やかなガビチョウに混じって、ひときわ大きなコジュケイの声を耳にするのだが、ヤブから出ないコジュケイがど…

大井川のオスプレイ(ミサゴ)

トビをふつうに見かける川沿いで、それとは違う白い鷹を見つけたのは、だいぶ以前のことだ。鷹は、河口近くの川面に獲物を見つけると、姿勢をかえて急降下し、波しぶきを立てて魚をつかみとっていた。大きめのコートをはおったようなトビよりもスマートで、…

必ずクラスを立て直す教師の回復術! 野中信行 2012 

1971年に教員生活をスタートさせた筆者は、70年代(まで)と、それ以降の現代の教師の仕事とがまるで違ったものになっていることを、冒頭、簡単な図で明示する。以前は、授業と行事に力をそそげばよかったのだが、現代は土台としての学級づくりが過半…

「イエスの方舟」論 芹沢俊介 1985

報道された情報だけを使って、自らの解釈と思弁を強引に進めていく手法は読みにくいが、かつての批評のスタイルなのだろう。ただ前半で、家族(対幻想)の解体と変容という物差しを振りかざして、「既成の価値体系」にしばられた親を貶め、イエスの方舟の新…

現代ニッポン論壇事情 社会批評の30年史 2017

イースト新書刊。本書の中で、月間150冊出版される新書が雑誌の代わりになったのが、論壇劣化の元凶のように言われているが、まさにそれを地で行くような内容だった。 ロスジェネ世代でもある社会学者北田暁大が、若者論の批判的研究をしている後藤和智と、…

南無阿弥陀仏 柳宗悦 1955

柳は、平易な新しい言葉で仏教を説くことの必要をとく。そして、念仏とは何か、阿弥陀仏とは何か、浄土とは何か、について現代人にも通じる本質的な説明を試みるのだ。 「少なくとも幾千万の霊(たましい)が、この六字で安らかにされたという事実を棄てるこ…

日本建築の特質と心 枝川裕一郎 2017

全体ありき、ではなく「部分から全体へ」という考え方を基礎にして展開される日本建築の特質を、実例をあげながら説明する。 それを Japanese Identities として日本文化論と直結させるところはやや単純化のきらいがあるが、諸特質の列挙は網羅的で、「自然…