大井川通信

大井川あたりの事ども

2021-01-01から1年間の記事一覧

更新が遅れている理由

ずいぶん毎日の更新が遅れている。 四年前にブログを始めてから、これはちょっと記事の更新は厳しいかもと初めて思ったのは、三年前母が亡くなったときだった。その頃は遅れた分を日付だけさかのぼって書くなんて邪道は思いついてもいない時期だったので、な…

ファミレスの家族

このごろ、ジョイフルにあまり行かなくなった。以前はほとんど書斎代わりに使っていたのに、あたらしくできたタリーズコーヒーやコメダ珈琲で勉強することが多くなった。メニューや施設やらの問題もあるのだが、同じように勉強している利用者が多いのも居や…

こんな夢をみた(ゲンゴロウと二十面相)

夢の断片、二題。 田んぼの水中を泳ぐゲンゴロウを救い上げる。見事につかまえられたが、なんだか分厚くて大きな、カメみたいなゲンゴロウだった。(ゲンゴロウへのあこがれの気持ちは変わらないようだ) 大きな古い屋敷。怪人二十面相に狙われて、二人の人…

馬群に沈む

先頭を走っていた馬が、第四コーナーを曲って最後の直線を走っているときに、徐々に後ろから来る馬につめられて、集団の中に埋没していく。これを「馬群に沈む」というのだが、実際にレースを見ていると、まさにこう表現するのがぴったりで、これ以外の言葉…

鎮守の杜、切られる

車を走らすと、あちこちの銀杏の黄葉がきれいだ。それで、休日の朝、わが大井の大銀杏の黄葉を見上げようと、久しぶりに鎮守の杜を目指した。 しかし、驚いたことに、銀杏の木がない。いや幹の三分の一くらいが残されているだけで、枝も葉も全てとり払われて…

息子、帰る

先月初めに一人暮らしを始めた長男が、家に顔をだした。一時間もかからないところに住んでいるから、用事をしに立ち寄ったことはあるが、今回は猫の顔を見にゆっくりしにきたようで、母親のすすめで一泊して帰った。 社会人になっても4年間、そのままにして…

『よるのねこ』 ダーロフ・イプカー 1988

絵本では、いろいろな生き物が主人公になっている。大人が読む小説の主人公が人間以外であることはまずないだろう。この対比に気づいたとき、それがとても不思議だった。子どもにわかりやすく、親しみをもてるように? しかし、なんで、自分たち以外の種族が…

『きたかぜさま』 星野なおこ(文)・羽尻利門(絵) 2021

タイガー立石の絵本に続いて、月間「こどものとも」の新刊を購入した。福音館のこの雑誌はおそらく昔からあって、この月刊誌から一部の作品が単行本化されるというシステムをばくぜんと知ってはいたが、子育ての時も雑誌まで手にすることはなかった。 絵本の…

介護研修修了

介護職員初任者研修が終了した。最終日の修了テストも無事合格し、はれて修了証明書を手にすることができたが、とにかく予想外の収穫が大きな研修だった。 まず、土日を終日、13日間使って実施する研修がかなりハードだったこと。自分が体力的に衰えているこ…

競馬を見る

そういえば日曜の午後に競馬の中継番組があったな、というくらいの記憶しかないし、毎年決められた時期に大きな競馬の大会があるみたいだ、という認識があるくらいだったが、今回、初めて、マイルチャンピオンシップというレースを意識的に見てみた。 レース…

「機関車を見ながら」-芥川小論

『侏儒の言葉』が残念だったので、全集を引っ張り出して、晩年の短文にいくつか目を通してみた。経験上、芥川に関しては、こんな場合に満足のいく発見は期待できない。しかし、今回は、はっと目をひく文章を見つけた。 昭和2年の自死のあと発表された遺稿の…

『侏儒の言葉』 芥川龍之介 1927

子どもの頃から芥川が好きだった。学生時代は市立図書館で岩波の大判の全集を借りてきて読んだし、社会人になってから、版が小さくなった新しい全集を手に入れた。とはいえ、持っているだけで、きちんと読んだわけではない。 この岩波文庫の『侏儒の言葉』の…

銀杏の黄葉

この秋は、資格試験の勉強など再就職の準備のためにバタバタして、紅葉をすっかり見逃してしまった。ババウラ池のモミジも、気づいたときには散りかけている。 ようやく間に合ったのが銀杏だ。こうしてみると、里山の中にも、古い集落の中にも、銀杏はところ…

脳科学者の話を聞く

仕事がらみで、脳科学者の講演を聞いた。有名学者だけあって、素人にもよくわかる気の利いた話で楽しかった。テンポよく要所で、錯覚図形をプロジェクターに映す。効果抜群の画像だから、聴衆を驚かせて飽きさせない。 錯覚はおもしろい。僕は子どもの頃、社…

『夜と霧』 ヴィクトール・フランクル 1946

読書会の課題図書で読む。 感覚的には、本当にこんなことがあったのか、あったとしてもごく例外的な不幸だったと思いたい、というのが正直なところ。 しかし、周囲(自分の内外)を振り返ると、すさまじいばかりの自然の改変(破壊)と生物の組織的な殺戮、…

『林達夫評論集』 岩波文庫 1982

久しぶりの再読。以前、林達夫(1896-1984)が気になって、何冊かまとめて読んだ時期があった。やはり、どの文章もそれなりに面白い。ただ、圧倒的にすごいという切れ味までは感じられない。もちろん、時代の文脈の違いと、そもそもこちらの教養や興味関心…

黒島伝治のエッセイをいくつか

新編集の文庫には、エッセイもいくつか載っている。小説では技巧をみせる伝治も、ここでは素朴でぶっきらぼうだ。 「入営する青年たちは何をなすべきか」では、青年たちに、軍隊に入ることで兵器の使い方と組織的な動き方を学び、来るべきブルジョアジーとの…

『黒島伝治作品集』 岩波文庫 2021

絶版になっていた黒島伝治(1898-1943)の岩波文庫が、新しく編集されて出版された。以前にも書いたが、僕が最近になって黒島伝治のことを気にするようになったのは、代表作「渦巻ける烏の群」の題名によってだった。 ロシアが舞台の小説で、カラスの群れが…

注目記事のこと

細々と続けているブログだけれども、どんな記事が読まれているか少しは気になる。アクセス数も気にならないことはないが、それを増やす努力もしていないので、読んでくれる人がいるだけで十分だろう。 ブログの心がけは、「毎日書く」「好きなことを書く」「…

財布をもって追いかける

外国人の動画に、日本で財布を落とすと、それを拾った日本人は必ず落とし主に返すということを検証するものがあった。実際に、動画の主が人込みでわざと財布を落とすと、それを目撃した日本人は、素早く拾って落とし主を追いかける。まさに百発百中だ。 まあ…

こんな夢をみた(ハルヒとまどマギ)

大学のゼミの飲み会か合宿先のような場所だった。酔っぱらって、ほとんどろれつの回らないような参加者もいる。僕の隣には、ちょっとオタクっぽいような、地味な感じの女子が座っていたので、アニメの話をすることにした。 といっても、現実世界と同じで、最…

寮の先生の話

僕らの世界には、気が遠くなるほどの数の人が暮らしている。一方、僕らのふだんの暮らしは、ごく少数の人達とだけ繰り返しあうことで成り立っている。しかし、「意外な出会いやつながり」というのが実はごく当たり前で、知り合いの知り合いをたどれば、驚く…

歴史の救済

僕は、本を読みながらというよりも、街を歩いたり、車を運転したりしながら、自分の思い付きをじっくりと考えることが多い。 ベンヤミンレポートに備える作業も、ベンヤミンのテクストを読むというより、自分の中に残存して生きている彼のイメージを何度も反…

私は地理が好きだった

馬はたのしい。競馬も面白そうだ。動画を見ているうちに、競馬好きだった寺山修司のことを思い出して、そのエッセイを読み返してみた。そうして、以前、熱心に寺山の本を読んでいた時期があったのを思い出した。 文庫本は何冊もあるので、パラパラめくってみ…

介護職員初任者研修9日目と10日目

9日目は、終末期介護。人工呼吸や胃ろう、人工透析など、延命治療の具体的な話を聞く。いくらか知識はあるつもりだったが、この問題についてばくぜんとしかイメージしていなかったことに気づく。たとえば、6月のコロナ感染症では、僕は酸素投与で済んだが、…

薬局をうろつく

実は、自分の進路の件で、いろいろ事情の変更が生じて落ち着かない。本来未来は不確定なのだから、何か新しいことを始めようとするときに、予想外の事態に直面するのはやむを得ないことだろう。 こういう時は、たんたんと確実に前に進める作業をやるのが、精…

環境整備月間

11月に入って今年度も完全に折り返しモードに入った。夏からのカウントダウンも続けていて、2日で150日を残すところになったが、やはり日数では、あまり切迫感がない。資格試験の受験日や読書会の発表日などを区切りや目標にしているけれども、それでやる…

漢詩を読む

このところ読書会は、毎月の小説を読む読書会と、詩歌を読む読書会、それから隔月の評論(哲学・思想)を読む読書会に参加している。それと読書会ではないが、毎月の吉田さんとテーマを決めた勉強会でも書物が話題になることが多い。 小説を読む会は3年間、…

『とらのゆめ』 タイガー立石 1984

本屋で児童書のコーナーをながめていたら、この絵本が目立つように立てかけられているのが目をひいた。タイガー立石の新刊はないだろうと思って奥付をみると、1984年発行された本の再刊のようだ。「こどものとも」という30ページばかりの月間雑誌の一冊であ…

動画をみる

ごく最近、競馬の動画を見るようになったことを書いたが、人並みに動画を見るようになったのは、おそらくこの二年ばかりのことである。 まずは、お気に入りのバンドの動画をあさるようになった。海外のライブだと、ファンの撮った映像があるから、それを見る…