大井川通信

大井川あたりの事ども

2022-06-21から1日間の記事一覧

独歩のナショナリズム

三島由紀夫の『憂国』を読んで奇妙な気分になった。絵に描いたような美男美女のカップルが、性愛と正義とが一致する行為として切腹と自死を選ぶ。その動機であるはずの国を憂うる気持ちも反乱将校への共感も、ほとんど具体的には描かれておらず、閉ざされた…