大井川通信

大井川あたりの事ども

2023-02-01から1ヶ月間の記事一覧

マッコリで二日酔いになる

読書会の二次会で、久しぶりにアルコールを飲んで、酔っぱらう。30年近く参加している会だから、今までに様々な恥ずかしいこと、悲惨なことを経験してきたから、多少羽目を外したところでどうということはない。 白っぽいプラスティックの容器に入った韓国の…

九太郎4歳!

我が家の長男猫の九太郎が4歳の誕生日を迎えた。ひとまずめでたい。 妹のボンちゃんとの仲は、相変わらず改善の見込みがない。先住猫との関係は3か月くらいでよくなると聞いてはいたが、結局同居して2年もたつのにお互い気を許さない、一進一退の状況がつ…

こんな夢をみた(中庭の恐怖)

白い衣装を着た三人が、三角形の中庭に閉じ込められている。まわりを取り囲むのはガラス張りの平屋だ。そのうちの二人が肩を組んで、中庭の通路を歩いて、突き当りのガラスの前まで突進する。 自由意思で歩くというより、何者かにつかまれて無理やり突き動か…

『葉山嘉樹短編集』 道籏泰三編 2021

北部九州出身の小説家として、人から薦められて手に取った本。葉山嘉樹(1894-1945)がプロレタリア文学の作家だという文学史の知識はあったが、読むのは初めてだった。 新しい編集の岩波文庫で、12編の短編を収録してやや厚めとはいえ、読了まで一か月以上…

『神道入門』 井上順孝 2006  

出版当初に読んでだいぶ勉強になった平凡社新書の一冊。その後、汚すか何かで買いなおしておいたものを今回再読した。 神道入門などというと、ちょっとおどろおどろしいというか、イデオロギー的なバイアスのかかった内容を予想してしまう。ところが本書は、…

金光教教会にお参りする

以前日程を聞いていたので、午後に近所の金光教の教会の祭祀に初参加する。 比較対象となるのが、職場がらみで何度か参加した地元の神社の祭祀と、先日頼んで参加させてもらった黒住教の祭祀くらいしかないが、初参加の新鮮な印象をメモしておこう。 やはり…

記録の細部/記憶の深部

今月の吉田さんとの勉強会のために、例によって、僕のブログからいくつかの記事を組み合わせてレジュメをつくる。それが、単なる記事の寄せ集めになる場合もあれば、文章が有機的に結合して新たなテーマを際立たせることもある。手前味噌でいえば、今回は後…

こんな夢をみた(夏期講習)

夏休みに開かれている講習会に参加した。自分は、高校生くらいの学生である。前の方に座ると、見慣れた顔の学生がかたまっている。どうやら講習会には初日から参加している仲間のようで、すっかり打ち解けて話している。自分が意識している女子学生(今から…

凹(へこ)む老人

以前、いつのまにか自分が「怒る老人」としてふるまっていることを書いた。その時は半ば反省しつつも、怒っている自分自身をどこかで面白がっている気分があった。自分は、こんな風にワイルドでアクティブなんだぜとばかりに。 自分がよく行くショッピングモ…

『体はゆく』 伊藤亜紗 2019

読書会の課題図書。最先端のテクノロジーを特集した雑誌の連載記事を読むように、興味をもってスラスラと読むことができた。 ただ、著者や対話者の目覚ましい才能と紹介されるテクノロジーの目新しさにもかかわらず、著者が言うようには、「できる」ことの面…

『金光大神』 金光教本部教庁 2003

金光教の教祖金光大神(赤沢文治 1814-1883)の大部な伝記。近所の教会の教会長さんから5年ほど前にいただいたものだが、今回初めて読了した。 昨年末に、黒住教の経典を読んで教会に参拝したことがきっかけになった読書で、民衆宗教についての関心はずい…

情報弱者の憂鬱

通勤電車の中では、乗客のほとんどはスマホに目を落としている。かつては大部分の人が本を読んでいて、それが日本人の真面目さや勤勉さの象徴みたいに言われていたと思うのだが、すっかり様変わりしてしまった。もちろん電子書籍を読んでいる人もいるだろう…

鳥のいろいろ

家の近くの馬場浦池は、冬の間水が抜かれていたが、雨の水が少しづつたまり始めた。春に向けて、ため池の姿を取り戻す時期になったのだ。 カラスに追われた鳥が、池のふちのイチョウに止まったので目をこらすと、頬のあたりが白く輝いて見える。よく見ると、…

名馬の引退

12日の京都記念に出走して競争中止になったエフフォーリアが、引退し種牡馬入りすることが決まった。 僕が競馬をリアルタイム(テレビ中継)で見始めたのが一昨年の天皇賞(秋)で、今から振り返ると、エフフォーリアがピークの実力を誇って圧倒的な強さを見…

アンパンマンの話

用事があって市立図書館の職員の人を話していたら、どうやら若い頃の僕のことを覚えていてくれたらしい。25年くらい前のことだ。 そのころ、仕事の関係で、市町村の職員と関わる機会も多かった。ただその人は、直接の担当ではなくて、何かの行事ごとの時に交…

『ゆるキャラの恐怖』 奥泉光 2019

奥泉光のクワコーものの最新刊が文庫化されていたので、購入して読んでみた。軽い読み物を楽しめたらと思ったのだが、残念ながら今回もクワコ―が主人公のドタバタ喜劇(ライトノベル?)は、僕には楽しめなかった。 『モダールな事象』における桑潟幸一助教…

自分の思考のクセを知る

僕は、ふだんの生活の中で、なんともバランスを欠いたこだわりにとらわれることがある。子どもの生活習慣や家の管理などのことで、突然あるポイントが心配になり、性急にそのことの改善を言いつのったりする。 そのポイントはまったくの思い違いでもないし、…

漢字と英語の試験を受けようと思い立つ

長い間、自由気ままな読書とフィールドワーク以外何もせずになまけてきたが、昨年度、久しぶりにいくつか資格試験を受験して、その対策の勉強に取り組んだ。2年前に大学の通信教育(ネットのみ)で図書館司書の資格を取っているから、それがよいリハビリに…

下町のキツネツキ

豊田正子の綴り方を読むと、戦前の庶民の暮らしの中で、キツネツキ現象がいかに身近なものであったかがわかる。子どもの目には、物珍しく題材に選びやすかったということもあるかもしれない。岩波文庫版『綴方教室』の中から、神がかりやキツネツキの女性を…

原っぱのゲンゴロウ

豊田正子の『粘土のお面』には、こんな場面がある。描かれているのは昭和初期、正子が小学校4年生ぐらいの時だろう。 夏休みに入って、約束通り先生の家に泊まりにいきたい正子だが、親はなかなか許してくれない。先生への遠慮もあるだろうし、家事手伝いの…

新編『綴方教室』 豊田正子著 山住正己編 1995

『月明学校』と『山びこ学校』からの流れで、戦前の綴り方作品の傑作である豊田正子(1922-2010)の本を読む。『綴方教室』(1937)、『続綴方教室』(1939)、『粘土のお面』(1941)の三冊から抄録した岩波文庫版である。『山びこ学校』と同じく1995年の…

影武者カンタロウ

依然として、都市公園にはカラスが少ない状況が続いている。昼休み公園内を歩き回っても、カンタロウどころかそもそもカラスがいない。ただ、僕はそれでいいと思っている。 この寒空の中で、人から嫌われているカラスが生き延びるのは大変だ。僕も長年バード…

続・大関さんの思い出

三年半先に生まれた姉は、子どもの頃の実家の情報を僕よりもずっとたくさん持っていている。電話で大関さんの話を聞くと、僕が知らなかったり忘れていたりしたことを教えてくれた。 大関さんの奥さんは若い頃、踊り子(ダンサー)をしていて、足を悪くしてや…

大関さんの思い出

実家のあった国立は、碁盤の目のように区画された住宅街で、道一本はさんだ向かい側の区画には、都営住宅が並んでいた。小さな木造の平屋が密集していて、その間を細い通路が何本か走っている。下水の匂いがする湿っぽい路地は、子どもにとっては迷路のよう…

タガメのことなら2時間くらい話せるよ

僕は友人知人がとても少ないし、人と深い付き合いをするのが苦手だ。ただ表面的なつきあいだけは何とかとりつくろってきたので、ひととおりの職業生活をなんとかこなしてきた。その間に出会った人たちにはそれなりの印象を残してきたようだ。 もともとおかし…

さあ、お湯があるよ

僕の実家では、父親が勤めに出るときには家族で見送るのがルールになっていた。家の戸口を出て、けんちゃんの家の脇を歩いて、かわもとさんの家の前の塀のところでこちらを振り返り、左手に姿を消す。我が家の敷地(庭)の中での父のそんな姿が目に焼き付い…

こんな夢をみた(神保さんの個展)

風邪をひいて職場を休んだ。風邪薬を飲んで、一日寝ている。そんな寝苦しい眠りの中で、こんな夢をみた。 自分の住む住宅街の岡をくだって神社の敷地に向かっているが、調整池がなかったり緑が深すぎるなど、現実とは様子がちがっている。「夢だからこうくる…

『カキワリの劇場』 小林賢太郎 2023

一昔前、ツタヤ図書館と揶揄された新しい公共図書館のあり方が話題になった。その走りは武雄市立図書館で、どちらかと言えば図書館関係者からの批判の声が大きかったと思う。僕も旅行の途中で立ち寄ってみたが、図書館としては確かに目新しい空間だと思った…