大井川通信

大井川あたりの事ども

2023-03-01から1ヶ月間の記事一覧

こんな夢をみた(酒場とレンタカー)

丘陵を切り開いた工事現場のような場所だが、大きな木造の建物があって、にぎやかな酒場が営業している。女の人もたくさん働いているが、客層は、場所柄、荒くれた様子の労働者が目立つ。 土がむきだしの駐車場にはトラックが並んでいるし、キャッチボールを…

近代人・小林一茶

昨年末から、用事とぶつかり参加できなかった詩歌を読む読書会に久しぶりに参加する。詩歌を読むのは手間がかかるから、いつもは前日にバタバタするのだが、今回は少し前にたまたま読み終えたばかりの小林一茶の句集だから有り難い。しかも本まで同じだ。 一…

風信子(ヒヤシンス)忌に寄せて

立原道造(1914-1939)の忌日に、僕が19歳の秋に手に入れた古い旺文社文庫を開いてみる。郷原宏が長い解説を書いているので、読んでみた。郷原の批評は、論旨が明瞭で力強く読み応えのあるものが多い。 当時の世評の対する反発をモチーフにしているので、ち…

自由忌に椎名麟三を読む

今日は、椎名麟三(1911-1973)の忌日。ネットで調べると、「邂逅忌」とも「自由忌」とも言うようだが、「自由忌」の方がいいと思う。彼が若い頃に勤めた山陽電鉄にある文学碑には、「考えて見れば人間の自由が僕の一生の課題であるらしい」という自伝小説…

講師への礼状

〇〇会館での講演会を、一般参加者として聞かせていただいた者です。先生のお話に大変な感銘を受けて、お礼のメールを差し上げたくなりました。 正直なところ、真宗の信仰を持たない自分が、先生の専門的な議論を理解できるのか疑問で、参加をためらっていま…

浄土真宗の門法道場で

市内の某所で、浄土真宗の講義を聴く。時々ではあるが、もう10年以上お世話になっている門法道場だ。宗門の事情はよくわからないが、本願寺派や大谷派などの大宗派ではなく、比較的小さな団体に連なるグループのようで、戦後に福岡教育大学の化学の先生が、…

秋本順子先生の壁面装飾を玄関にかざる

行橋のギャラリーで開催中の秋本順子先生の個展に出かける。帰省中の長男も自分からいっしょに行きたいと言ってきた。家族みんなが先生のファンなのだ。 秋本先生は妻のメタルアートの先生で、もう20年近く先生の教室に通っているだろう。武蔵野美大出身で、…

こんな夢をみた(水泳教室)

職場の関連の募集で、水泳のレッスンを受けることになった。募集の担当者に電話で聞くと、能力別だから初心者でも大丈夫だし、水泳選手の個別指導が受けられるという。 組織は別だが、僕のことも知っているようで、歓迎してくれているようだった。当日は、僕…

猫たちのパネル展

隣町の巨大ショッピングモールで、飼い猫の写真のパネル展のための募集があった。なんでも猫カフェの新規開店を記念しての企画だという。 妻はこの手のことに素早く反応するときがあって、今回は説明文をつけて、えりすぐりの写真を投稿したらしい。 さっそ…

情報弱者の逆襲

職場にホームルーターが設置してある。事情があって固定回線の工事ができないので、Wi-Fi環境を整えるためにソフトバンクと契約しているものだ。 職場は任意団体のために、法人契約はできない。それもあるが、個人契約の方が手軽に安価で契約できるようだ。…

行橋の商店街を歩く

行橋の街は、40年以前も前に仕事の関係で何度も来たことがあるので、親しみがある。当事は生命保険会社の社員だったから、新人の営業員さんといっしょに近所に飛び込みの営業をしたりもした。当時の営業所の建物が、市立の美術館として生まれかわっているこ…

トマトラーメンの衝撃

今さら、ラーメンに衝撃を受けるとは思っていなかった。 あれほど美味しいと思った家系ラーメンも、どの系列店でもその味を再現してくれない。昔好きだった喜多方ラーメンを東京帰省時には、しつこく食べてみるもののどうもピンとこない。かつては美味しいと…

平朝神社の由来

金光教の教祖金光大神の伝記を読むと、幕末から明治にかけて、教えを立てて布教していくことの困難が詳細に記されている。教祖自身の手になる自伝に基づく記述で、当時の宗教事情を知るうえで貴重な手掛かりとなる。 幕末には、山伏(修験者)等からの迫害が…

こんな夢をみた(母の暴走)

なんでも僕の両親は、皇族のような存在だった。父親のスキャンダルがあって、母親がその証拠をつかもうとしている。 僕は、旅館のような古い建物の一室で過ごしていて、その部屋の中には父親のスキャンダルの証拠が乱雑に散らかっていた。夜寝ていると、母が…

西原春夫先生の思い出

昨年ネットで、たまたま西原先生の動画を見つけて、懐かしかった。80代の半ばをすぎての講演のはずなのに、情熱をもって高邁な政治思想について語る姿に驚かされた。ところが今年の1月になって、西原先生の訃報に接することになる。 僕が入学したころの早稲…

図書館サービス特論レポート(2020年3月提出)

2019年度に近畿大学の通信教育部の図書館司書コースを受講した。なんとか単位をとって資格を取得したのだが、一番苦労したのが、タイトルの科目のレポート課題だった。 「身近にある公共図書館を観察し、課題解決支援サービスの内容・特徴を述べるとともに、…

銀河鉄道に乗って

先月、漫画家の松本零士(1938-2023)が亡くなった。有名人ではあるが、僕にはそこまで思い入れはない。連載を読んだのは、子どもの頃の『おとこおいどん』ぐらいだったような気がする。 その4畳半ものといわれる作品の原型となるような、とても切ないSF…

『蟹工船』 小林多喜二 1929

葉山嘉樹(1894-1945)の小説を読んだことをきっかけにして、プロレタリア文学つながりで、小林多喜二(1903-1933)の手元にあった文庫本を読んでみる。代表作『蟹工船』と死の前年に書いた『党生活者』が収録されている。 内容以前に小説としてしっかり作…

同世代の歌人のトークイベントから

歌人の穂村弘(1962-)のトークイベントに参加した。ビブリオバトルの関連イベントだから、歌の話ではなく、さまざまな本と作家のことを話した。 数百人の読書好きの聴衆(年齢高め)がいたが、ほとんどが僕の様にこの世の事に軸足を置いて、余暇で読書を楽…

菜の花忌に伊東静雄を読む

この時期になると、郊外には菜の花が目立つ。近所の古墳公園を通りかかると、一面の菜の花がきれいだ。まばゆい黄色が浮き上がって、現実離れした美しさだ。いちめんのなのはな・・・ このフレーズを繰り返す有名な詩があったと思うが、山村暮鳥だろうか。 …

北新地ビル放火殺人事件(事件の現場13)

2021年12月17日に、大阪駅近くの大通り沿いのクリニック(心療内科・精神科)が放火されて27人が死亡した事件が起きた。犯人は、このクリニックに通院していた患者らしく、本人も死亡している。のちの報道では、亡くなった若い院長の人柄をしのぶ患者さんた…

こんな夢をみた(止まる噴石)

ごつごつした岩山のようなところを、集団で歩いていた。遠くに噴火口が見えて、溶岩が流れたあとみたいな斜面が広がっている。阿蘇にいるような気分だった。 少し離れたところに小さな石が落ちていて、溶岩が固まったものだとわかったので、記念に持ち帰ろう…

こんな夢をみた(父母の結婚式)

国立市の碁盤の目のような住宅街の街路の一角に、ひっそり由緒ありげな建物がある。庭には大きな木が茂っており、その脇に古い小屋が建っている。旭通りを少し電車側に入ったあたりだろう。僕にもなんとなくなじみのある建物なのだが、それが何なのか思い出…

次男のデート?

昨夏、希望通り地元の施設に転勤することができた次男だが、就職以来最大のピンチとなってしまった。本人が自分で転職を考えて、母校や施設に相談に行くほど深刻だった。 施設の責任者の人たちと面談したが、仕事ぶりも必ずしも期待通りのものではなかったよ…

ことばを贈る・ことばで送る

親しい人の最期をどんなふうに見送るのかは難しい。僕は両親を見送ったが、どちらも東京にいる姉に全面的に頼らせてもらい、仏式の葬式を出した。親せきや友人が主体のとてもよい葬儀だったが、檀家でもない見知らぬ僧侶に依頼せざるをえないことには、ちょ…

カンタロウの恋人

昼休みに公園を一周する日課は続けていたが、カラスに出会う機会はめったになくなっていた。今朝は、久しぶりに公園がカラスの声で騒がしく、例のジャージ姿のお年寄りもそれにつられてカラスみたいな奇声を発している。 昼休み、いつもの小山の林にむかって…

ハトに話しかける男

昼休みに公園の周遊路を歩いていると、道の脇にある水飲み場の上にハトがとまって蛇口をつついている。この公園で人なれしたハトはまったく珍しくないが、奇妙なふるまいが目にとまった。 おそらく水が飲みたいのだろうが、水がたまっていないのだろう。近づ…

『深き心の底より』 小川洋子 1999

小説家小川洋子(1962-)の初期のエッセイ集。 小川洋子は、映画化されたベストセラーを書いているような有名作家だから、僕には遠い存在だった。ただ、小さな接点があることは気づいていた。 あらためて調べてみると、彼女は昭和37年の早生まれで、僕とは…

『危機の時代に生きる力を』 荒木美智雄 2010

偶然手に取った講談社学術文庫の新刊『宗教の創造力』(2001文庫化、底本1987)で宗教学者荒木美智雄(1938-2008)のことを知ったのは、もう20年前のことだ。巻頭の論文で、金光教の教祖金光大神を高く評価しているのが目を引いて、僕が金光教に関心をもつ…

詩集『亡羊記』(村野四郎 1959)を読む

今日は、亡羊忌。詩人村野四郎(1901-1975)の亡くなった日だ。 ちょうど手元には、忌日の命名の由来である詩集『亡羊記』の翻訳書がある。友人の英文学者高野さんが翻訳したもので、見開きの左右の頁に、日本語の原詩と翻訳が並んでいるが、日本語も横書き…