大井川通信

大井川あたりの事ども

サブカル

競馬を見る

そういえば日曜の午後に競馬の中継番組があったな、というくらいの記憶しかないし、毎年決められた時期に大きな競馬の大会があるみたいだ、という認識があるくらいだったが、今回、初めて、マイルチャンピオンシップというレースを意識的に見てみた。 レース…

動画をみる

ごく最近、競馬の動画を見るようになったことを書いたが、人並みに動画を見るようになったのは、おそらくこの二年ばかりのことである。 まずは、お気に入りのバンドの動画をあさるようになった。海外のライブだと、ファンの撮った映像があるから、それを見る…

馬が走る

やる気がわかないときは、ついついネットの動画をみて時間をつぶしてしまう。どんな動画をみるかは、その時のマイブームがあるが、このところ競馬の動画にはまっている。今まで馬券を買ったことは無いし、競馬場でレースを見たこともない。 実家は府中の東京…

ドーピングについて

近ごろ、プロレスや格闘技関係の動画を見ることが多い。実際の試合の動画ではなくて、選手たちが当時の裏話をしているような動画だ。なぜ、こんなものを見るようになったのか。初めは野球関連の動画が、意外に面白いと気づいたためだ。 しかし、野球もプロレ…

ナンシー関の予言力について

田村正和について書くために、ナンシー関の本を久しぶりに取り出した。文庫本で20冊くらいあるが、別に単行本も10冊ほど持っていると思う。すぐ本を処分してしまう癖のある僕だけれども、持っていて良かった。これからも手放さないようにしよう。 ナンシー関…

追悼 田村正和

田村正和が4月3日に亡くなったそうだ。田村正和については、僕には、佐野元春やBand-Maidや「魔法少女まどかマギカ」についてよりも、いっそう書きにくい気がする。とはいえ、書いておきたいという思いも強い。しかし、何を書くのか。 やはりテレビの中の人…

「デビュー50周年記念 諸星大二郎展」を観て

展覧会を観ながら、僕も諸星作品との半世紀近いかかわりを思い起こした。原画を前にしてのぜいたくな時間だ。 1978年9月 高校二年生のとき、書店で新刊の『妖怪ハンター』を立ち読みする。親友のナス君が面白いよと教えてくれた。 1979年6月 ヤングジャンプ…

オリジナルとコピー

絵画はオリジナルは一つしかなくて、子どもたちには、たいていコピーの複製画を見せることしかできない。しかし、絵本は一冊一冊がコピーではなく、本物の絵本だ。絵本の原画がオリジナルというわけではない。だから、子どもたちに手軽に本物を与えられる絵…

『倒錯のロンド(完成版)』 折原一 2021

1989年に刊行された作品の完成版。文庫本で以前読んでいたので、加筆修正箇所を確認しようと思って蔵書を探したのだが、見つからなかった。 メインのトリックは漠然と覚えてはいたが、ストーリーがシンプルで分かりやすく、ぐいぐい引き込まれた。ただ、終わ…

諸星大二郎『西遊妖猿伝』を読む

年末年始休みに入る前に立てた目標の中で、唯一実現できたものが、諸星版の西遊記を読み切るというものだった。長編小説の名作を、とも思ったが、僕にはそれより諸星だろう。寝込んだ後、多少気分が良くなってもできることがない。その間、がつがつと読み進…

「みんちょ」とは誰か

みんちょとは、言わずと知れているわけではないが、ハードロックバンドBand-Maidのギタリストにしてコンポーザーの愛称である。僕は、2月末に彼女たちの音楽に出会って以来、9カ月に渡って毎日聴き続けているのだが、音楽好きでもない僕にそうさせているのは…

再び、フィギュアを買う

ほんだらけで、古本を買う。半世紀前の日本文学全集で『椎名麟三集』が300円。読み終えたアンソロジーとかぶりの作品がほとんどないのがうれしい。もう一冊は、山崎正和の近著『リズムの哲学ノート』が、新品同様で半額の1100円。山崎正和はけっこう好きだが…

ロック勉強中

バンドメイドの動画を見つけてから、彼女らの動画を見、音楽を聞き、情報を仕入れることに自由時間の大半を費やす日々が、三か月に渡って続いている。 彼女たちの音楽を理解するためには、基本に立ち返って、本場のロックを聞きなおさないといけない。80年代…

映画『顔』 大曽根辰夫監督 1957

松本清張の原作は、前年の1956年(昭和31年)に発表された短編。短編集の表題作でもあって、鮮やかな印象の名作である。 ところが、映画の方は、主人公を女性にしただけでなく、ほとんど別の作品といえるほど設定もストーリーも乱暴に変更されており、いろい…

映画『眼の壁』 大庭秀雄監督 1958

松本清張の原作も1958年(昭和33年)の出版。前年の週刊誌連載中から話題になり、映画化が決まっていたようだ。原作は読んだ記憶があるのだが、内容はまったく覚えていなかった。 大庭監督と主演の佐田啓二(1926-1964)とのコンビは、映画『君の名は』(19…

映画『ゼロの焦点』 野村芳太郎監督 1961年

原作は松本清張の1959年の作品。あまりにも有名ながら、未読。 制作年が、僕の誕生年だったのがきっかけで、ネットのビデオで観る。自分が生まれた頃の世界がどんなものであったのか、時々確認したくなる。自分の記憶や知識でばくぜんとしたイメージはもって…

BAND-MAIDに激ハマリする(その2)

2月の終わりに、このバンドをネットの動画で見つけて以来、相変わらず、自由時間の大半を、バンドの動画を見たり、音源を聞いたりすることに費やしている。アルバムも現物を二枚買った。 一週間くらい前、バンドの公式サイトでこんな告知を見つけた。参加す…

テレビを記録するということ

ファミリーレストランでの勉強会の席で、目の前にいる吉田さんがみるみる見知らぬ人へと変わっていく。知り合って6年くらいになるし、その間いろいろな会合で顔をあわせることが多かった。特にこの一年間は、一対一で毎月5時間くらいは議論している。たいて…

BAND-MAIDに激ハマリする

ここ一週間ばかりは、仕事から帰ってきて、ずっとバンドメイドの動画を見続けている。メイド設定の5人組のガールズバンドだ。それで、他のことが一切できていない。たぶん現実逃避なのだろうけど、それだけではない気もする。 ネットの動画もふだんはほとん…

優しい気持ちと車間距離

ロックミュージシャン佐野元春(1956-)の言葉。佐野元春は、独特のキャラクターのためにテレビのバラエティ番組に呼ばれることがある。久しぶりのテレビ出演で、自身の運転中のいら立ちを抑えるために自ら作った標語を披露したものの、あまりに平凡な内容…

仮面ライダーと昆虫図鑑

僕は小学生の頃、小学館の学習図鑑のお世話になった。当時、図鑑と言えば、蜜柑色の背表紙の小学館がメインで、70年代に入ってから、ようやく学習研究社の図鑑が巻き返しを図る状態だった。 確か手に入れた一冊目は、昆虫の図鑑で、ボロボロになるまで使った…

Lampの20年

今日でLampが結成20年になるということを、バンドのブログをたまたまのぞいて知った。音楽にはうといので、ジャンルでいえばシティポップとでもいうのだろうか。 ながくインディーズで活動していたが、このあたりはさらにうといが今は配信とか音楽の流通も…

お前はただの現在にすぎない

お正月の間、近所の神社の門前町で餅を焼く手伝いをしていたという吉田さんとの月例の勉強会。今回で二年目に入る。吉田さんは、テレビについての考察を持ってきてくれた。 吉田さんのレジュメに、こんな文章がある。子どもの時、好きなテレビ番組の最終回を…

女子アナブームの前夜に

共通一次試験のことを書いていて、高3の時の選択授業の雰囲気を思い出した。僕の高校では、進路別のクラス編成をとらなかったから、希望の進路によって違った授業を受ける選択授業の時間があったのだ。 僕は文系だったから、理系のクラスメイトとは別れて古…

『セミ』(ショーン・タン)のビブリオバトル紹介編

地元でビブリオバトルの入門講座に参加したら、その場でビブリオバトルの実演をすることになった。生まれて初めての経験だ。一冊お気に入りの本を持参する指示があったので、予想はつくことだったけれども。 そこで僕は、5分でこんな話をした。終了後に、講…

『ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス』 フレデリック・ワイズマン監督 2017

ひょんなことで、図書館に関する勉強を始めている。テキストや雑誌に目を通し、図書館をめぐる最新動向をにわか勉強した。図書館ではないけれども、社会教育施設や博物館での仕事経験がある。学生時代には、公民館での活動に参加していた。 こうした予備知識…

『ほんのにわ』 みやざきひろかず 2018

みやざきひろかず(1951-)の新作絵本を、少し遅くなったが手に入れて読む。完全オリジナル作品で、大人向けであることからも期待がたかまる。 はじめはストーリーを中心に足早に読んでしまったので、絵もいいし、展開も面白いにもかかわらず、なんとなくふ…

『アジャストメント(調整班)』 フィリップ・K・ディック 1954

フィリップ・K・ディック(1928-1982)のSF短編。 ある平凡な会社員の男が、ある朝、自分の会社に出勤すると、高僧ビルは灰色に変色し、粒子や塵の堆積のようにもろくなっている。なんとか自分のオフィスにたどりつくが、同僚たちも皆、灰色の粒子化してお…

涼宮ハルヒのために

京都アニメーションの放火事件は、僕にも相当な衝撃を与えた。無意識のうちにテレビやネットのニュースからも目を背け、新聞でも極力その記事を見ないようにしていたのだ。自然災害や大事件でニュース報道にくぎ付けになることはあっても、ニュースを避ける…

『空白の殺意』 中町信 1980(2006改稿 原題『高校野球殺人事件』)

中町信(1935-2009)の推理長編を読むのは、三作目だ。ミステリーファンでない僕が彼の作品にひかれるのは、それが世界の中に仕掛けられた謎というより、世界そのものの成り立ちの謎を示唆しているように思われるからだ。 この意味でいうと、前二作よりもず…