大井川通信

大井川あたりの事ども

元号ビンゴ(その2)

新たな目標ができたので、出勤前の短い時間で、近隣を回る。オオイ区の村社では、壊れかけた常夜燈に「寛政」の年号を見つけ、観音堂脇の石塔には「明和」の文字が。これは以前のコミュニティだよりの記事で、「明治」と読み間違えて紹介されていたもの。早朝から古びた石塔を覗き込む不審者に、隣家のご主人は、「(観音堂を)開けましょうか?」とにこやかに声をかけてくれる。

振替休日の今朝は、朝六時から勇んで家を出た。途中の休憩場所など計画していたが、途中財布を忘れたことに気づいた。自販機のお茶すら買えないと、愕然とする。

目星をつけていた神社跡に残る常夜燈には、力強く刻まれた「弘化」の文字。川を渡りカトウ区へ。カワウの潜水を間近に観察する。ふだん近くの池で小さなカイツブリを見慣れているから、その何倍もの大きさのカワウが水面から首を出すと、一瞬ネッシーかと思えるほどだ。

カトウ区の村社は天満宮で、きつい石段を登った里山の上にあって整備が行き届いている。春は桜が咲き誇り、眺望もよい。御来光を拝みに来る人も多いですよ、と参拝の人から教えられる。古い常夜燈の文字はうすれていて、蚊に刺されながら、読み取りに苦しむ。一文字目は、ウ冠は間違いない。二文字目は、どうにか「政」と読める。次は「六」。6年目があるのだから、条件的に「安政」に絞られる。

境内にある古い元禄の庚申塔を確認して振り返ると、向かいの小さな古い手水鉢に「享和」の文字が!  これで19世紀だけなら、ビンゴまであと二つに迫った。

田んぼ道が工事中で日に焼けたガードマンの人に声をかけると、連日の猛暑で大変とのこと。手足がつって倒れこみ、会社に交代を頼んで、そのあと五日ばかり寝込んだそうだ。朝九時なのにすでに真昼にように暑い。アスファルトには、カエルやセミなどの焦げた死体が転がっていた。