先月末からしつこいめまいに苦しめられているのと、冷え込みがきつくなったこともあって、外歩きがすっかりご無沙汰になってしまった。大井川歩きの名がすたる。
昼休み、おそるおそる職場の近くの林を歩いたのだが、ヒヨドリのせわしない鳴き声の合間に、プチプチプチという連続破裂音みたいなツグミの声を、この秋初めて聞くことができた。
あるいは、プラスチックの下敷きを激しく扇いだときになる、キュンキュンキュンをという音が一番近いかもしれない。鳥を見始めたばかりの頃は、冬の初めの林から聞こえる、このちょっと無機的で神経質な鳴き声がしばらく正体不明だった。
ツグミ類はみなおくびょうで、似たような鳴き声で飛び去って、すぐに身を隠してしまう。アカハラやシロハラ、それにマミチャジナイも姿を見せるが、今の時期林で群れをなしているのは、たいていツグミだ。
やがて冬枯れの開けた田畑で、ひとりぼっちで歩きまわり、胸を張って立ち止まる姿を見かけるようになるだろう。温かくなって渡りの時期になると、いつの間にか仲間と集まるのは、ジョウビタキと一緒だったと思う。
僕も早くめまいを治さなくては。