大井川通信

大井川あたりの事ども

鳥たちの「春活」

通勤の道の電柱の上に、木の小枝でまるまるとくみ上げた巣に、さかんにカササギが出入りしている。電力会社に撤去されないことを祈ろう。

小さなカササギみたいな優美な姿のセグロセキレイが、田んぼのあぜ道でふしぎな振る舞いをしている。オスがきれいに黒白に塗り分けられた翼を左右に広げて、ジグザグにメスに迫っていく。するとメスは、長い尾羽をオスのほうにピンと突き出す。恋愛の成立なのか、ふわっとオスがメスにおおいかぶさる。

林の脇の草むらで、ウズラみたいな地味な鳥が二羽で仲良く何かをついばんでいる。コジュケイだ。チョットコイ、チョットコイという、あのけたたましい大きな声を出す鳥とは思えない。キジバトのようなつがいの様子が微笑ましい。

海辺でも、林でも、冬鳥の姿が消えて、とにかくツバメが目立つようになった。ツグミシロハラジョウビタキも、いつの間にかいなくなった。林の中から、ウグイスとガビチョウの競い合うようなさえずりが聞こえる。ただ、今一瞬、ピッ、ピヨと、こころもとなく届いたのは、帰ってきたばかりの、この春初めてきくキビタキの声ではないだろうか。