大井川通信

大井川あたりの事ども

ムジナが落とした物語がひょっこり別所に届けられる(貉の生態研究⑥)

【物語の誤配/交配】

大井村の力丸家の由来を描いた絵本「大井始まった山伏」は、その唯一の伝承者睦子さんの病床に届けることができた。枕元で絵本を読み上げると、苦しい息の下で、物語の展開の創作に喜んでいただける。

平知様の物語は、紙芝居となって、近年開発された里山上の公民館で、新住民の敬老会で披露された。ややあって、知盛の墓という虚構の伝承が、地域の広報誌で真実らしく紹介されて、いっそう虚実がないまぜとなる。

 

※大井の由来の絵本は、その後、里山の公民館でのコミュニティカフェで配布したり、地域の文化祭で、他の絵本といっしょに展示されたりした。ヒラトモ様の紙芝居は、山伏の聖地である山のふもとの老人ホームのお祭りで、三年ぶりに再演する。