大井川通信

大井川あたりの事ども

聖地巡礼巻き戻し篇 (その2)

旅行から戻って、さっそく近所のレンタルビデオ店に行ったのだが、残念ながら在庫がない。配信とかもあるらしいが、おじさんには何のことだかよくわからない。近くの書店によると、原作の漫画の方はずらっと並んでいたので、数冊買って帰った。

しかし実は若干の心配事があった。巻き戻し篇というか、この本末転倒の聖地巡礼で、実際に作品が面白くなかったらどうしようもない。アニメの方なら、聖地の風物がきちんと描かれていればそれなりに楽しめそうだが、原作漫画の方には、小豆島を連想させる場面はないと聞いている。ただ、アニメ化にあたって原作者山本崇一郎さんの出身地である小豆島の風物を取り込んだということのようなのだ。

さて、『からかい上手の高木さん』の原作漫画のほうだが、意外にも、これがとても良かった。大人びて優秀な高木さんは、西片君への好意に自覚的で、ただ彼をからかうのを楽しんでいる。一方幼く不器用な西片君は、何とか高木さんにからかわれないようになり、あわよくば一矢報いようとするのに一生懸命で、彼女への好意を無意識に閉じ込めている。そんな中学生二人のほんわかしたエピソードがつづられているだけの作品なのだ。ただ高木さんは、ある種の男子にとって、女子の理想形のようなところがあって、いちいちツボにはまる、というか、琴線に触れてくる。

原作の中では、学校も本屋も神社も、さらっと描かれているだけなのだが、やはりあの学校であり本屋であり神社であると考えると、ちょっと嬉しい。

あとはアニメさえ観ることができれば、立派に聖地巡礼が完成しそうな勢いである。