大井川通信

大井川あたりの事ども

チョウゲンボウの狩り

二年前の冬、チョウゲンボウを見た、という記事を書いた。アトリを探し歩いている冬枯れの農耕地で、久しぶりにチョウゲンボウに出会った。

電線に姿勢よくとまるすっきりとしたシルエットは、一見して鷹だとわかる。カラスよりは一回り以上小さいが、尾羽が長いためか、大きな鳥に見える。手元にあまり性能のよくない単眼鏡しかないのが残念だ。こげ茶色の背中に、横じまみたいに黒の斑点が細かく並んでいるのはわかるが、それ以外は全体的に薄茶色の印象で、はっきりした特徴が見当たらない。

電線から飛び立って、低く滑空し、ふわっと地面へ着地する。草に隠れて、獲物を捕らえているのかどうかはわからない。そこから飛び立って、少し離れた電線にとまる。これを繰り返す。羽ばたきだけのときも、細長い翼をひろげて滑空するときもあるが、特徴のない素直な飛行だ。狩りのパターンはモズに似ているが、地面に降りていく角度が浅く、悠然としていて、あまり狩りらしくはない。

地元だけの不精なバードウォッチャーである僕は、さほど珍しくない鳥との出会いも数年に一回とかいうことになりかねない。今年の冬は、鷹でいえば、堂々とした姿のノスリにもぜひ会ってみたい。