大井川通信

大井川あたりの事ども

こんな夢を見た(映画)

弓の老名人、といっても西洋人風だからアーチェリーかもしれないが、とにかく彼が若い愛人に裏切られて捨てられる。彼は、二人の女性を仲間にして、元愛人への復讐を企てる。

元愛人が花形選手として出る大会がある施設で開かれるのだが、そこから斜面を登った場所にある宿舎に、老名人は密かにアジトをつくる。そして、大会当日、元愛人が競技で指定のラインに立って弓をかまえたときに、斜め上方の宿舎の小さな穴から、老名人は矢を放つ。放った時には、僕自身がその老名人になっていて、まったく視界がないにもかかわらず、なぜか成功を確信する。

実際に矢は、遠距離を飛んだのち競技場の窓の隙間から飛び込んで、元愛人の首筋に見事にささった。僕である老名人は、なぜかすでにその競技会場にいて、彼女が倒れるのを確認する。それから急いで会場を飛び出すと斜面の石段を駆け上がって、逃走する。

逃げながら、なぜ捕まらないのだろうと疑問に思う。こんなにストーリーもはっきりして映像も鮮やかな夢は珍しいが、実はこれは一度見た映画なのだ、と夢の中で確信している。だから捕まらないし、展開もすでにわかっているのだと。

宿舎に戻ると、仲間の二人は逃走用の車を用意していて、ここでも簡単に施設を離れることができた。映画では、やってきた刑事たちが宿舎で老名人の痕跡を見つける場面があったはずなのだが、この夢でははしょられている。映画そのままだから、この夢にはオリジナリティはない、とちょっと残念に思っていた。

夢が覚めてしばらくして、ようやくこんな映画はないことに気づく。