大井川通信

大井川あたりの事ども

八ちゃんへの感謝

今日は、八ちゃんの命日だ。一年前の今日、八ちゃんは、大きなてんかんの発作に苦しんで、動物病院の診療台の上で亡くなってしまった。

その日の夜は、自宅でお通夜をして、翌日、動物霊園の斎場でお葬式をした。八ちゃんは小さな白い布団にくるまって、木の棺の中に寝かされて、大好きなおもちゃといっしょに焼かれてしまった。小さな骨をひろって、家族で小さな骨壺に納めた。

12月の寒い日に、まだ生まれて二か月の捨て猫の八ちゃんは、お腹を空かせて、僕の家の庭に来て、精いっぱいの声でニャアニャアと鳴いた。妻が、思わず連れてきて飼い始めたのだが、こんなことがなかったら、猫アレルギーの症状が出たことがある次男と同居する猫を飼うことはなかっただろう。

さいわい次男のアレルギーは大丈夫で、腕白な八ちゃんはいっぱい妻に怒られながら、家族になった。猫の飼い方もよくわからなかったので、栄養過多の美味しい缶詰やミルクを毎日たくさんあげていたから、半年の命だったけれど、八ちゃんはとても幸せだったろうと、今でも家族でよく話している。

そのあと、九ちゃんが新しい家族になった。家族に心配事があっても、新型コロナの予防でストレスがたまっても、みんなで何とか仲良くやっていけているのは、猫の九ちゃんが、生きることの見本を僕たちに示してくれているのが大きい。

そんな今があるのも、飼い主に捨てられた八ちゃんが、小さな身体で一生懸命歩いて、僕の家を選んでくれたからだ。

八ちゃん、ありがとう。