僕は、自分の子どもらしき幼児と、古い商店街の一角にある空き地に、別の時代から「転送」されてきたようだった。そのまま僕は、建物の大きな部屋に入っていく。そこでは大掛かりな映画の撮影のようなことをやっていて、なぜか僕は新人女優として、その場に臨んでいるのだった。
おそらく未来からやってきたためか、その後の俳優としての成功は僕にはわかっていた。一日目は見ているだけで自分の出演場面はやってこない。僕は退屈だったり、少し怖くなったりして、もとの時代に戻りたくなった。子どもをつれて空き地を探してみるが、そこには見張りらしき人間が立っている・・・
(暗転)
僕は、実家にいて、通信制大学の文学部への入学を決めたところだった。もう大学を卒業して何年もたっている時期だった。いまさら通信で文学を学んだところで何のキャリアにもならない。なんでそんな選択をしてしまったのだろう。
相談できる友人の顔が浮かんだので、電話して会ってもらおうかと思う。しかし曜日を見ると平日だから、彼らも仕事をしていることに気づく。これから自分はどうしたらいいのだろう。心底不安になる。
(目覚め)
不安のなかに目をさまし、自分がもう若くはないこと、決まりきった日常があることに気づいて、思わず安堵する。