大井川通信

大井川あたりの事ども

こんな夢をみた(隣家の訪問客)

家の玄関に入るときに見ると、道の先で家族らしきグループが立って、何かを待っているようだ。隣家に用があるのだろう。まだ明るかったが、家に入って薄暗くなっても、まだガヤガヤして待っている。

隣家の敷地の近くには、僕の家の勝手口が開いていて、通りから入れるようになっている。しかも、団地の外階段みたいに二階の入り口まで自由にのぼれるのだ。

僕は、勝手口の隙間から、彼らの様子をうがかっていた。実は我が家を狙っているのかもしれない。僕は鍵を閉めようとしたが、今時珍しい、ネジをしめるタイプのため、あせればあせるほど、ネジが空回りしてしまう。

やがて夜になった。不審なグループの中には子どもがいて、母親らしき人が、勉強しなさいと言いながら、我が家の階段を上る気配がする。僕も二階に上がって外を伺うと、ガラス戸の向うに背を当てて、街灯の明かりで勉強している子どもの姿があった。

(ここで一度目がさめる)

翌日だろうか、僕は、二階で、自分の母親から昨夜のことの説明を聞いている。(家の様子は違っていても、やはり場所は国立の実家だったのだ)

机の上に二か所マークが付けられている。これが今回の事件のヒントらしい。その印にあわせて長い定規を置くと、それは遠く窓の外の風呂屋の煙突のあたりを指し示している。母親は、銭湯ではなくその手前の家の家族が、昨夜の訪問客だったという。彼らは、隣家のあくどい仕打ちによって家を奪われそうになったために、その抗議に来ていたのだ。

僕は、説明する母親の顔を、すいぶんふけてしまったなと何だか他人のようにながめていた。