大井川通信

大井川あたりの事ども

親子の刻印

新聞を見ていたら、山家悠平という女性史研究家のインタビュー記事が出ている。山家には「やんべ」という読みが振ってある。比較的珍しい名字だろう。そこに悠という、これまた個性的な漢字が並んでいる。すぐにピンときた。

僕が20代の頃、地域活動で印象に残ったエコノミスト山家悠紀夫さんの子どもさんではないだろうか。今ではあまり見かけないが、かつては親族の名前の漢字を一文字とって命名するという習慣があった。

山家さんは、何度か集会で顔を合わせて、そのあと何冊か著書を読んだが、今年に入ってから久しぶりに新著を読んで、このブログに感想を書いている。

記事には顔写真が出ているが、大きな目にお父さんの面影がある。女性史を研究し中国の大学で教員をしているという経歴も、お父さんとイデオロギー的な類縁性がある気がする。もう間違いないと思って、ネットで調べると、果たして親子関係の情報があった。

名字、名前、身体的特徴、イデオロギー。僕たちは、自立した個人という建前で生きてはいても、親や親族からの刻印を意外と強く受けている。あらためてそれに気づく。

僕自身も、名前の二文字はそれぞれ祖父と伯父からもらったものだ。年齢を重ねると、親と似ている身体の部位がいっそう気になってくる。本好き、文学好きということも、父親からの影響であることはまぎれもない。親を知る人から見れば、いかにもあの人の息子だと思われるのだろうか。

 

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