大井川通信

大井川あたりの事ども

こんな夢をみた(鉄砲水)

今回の夢も断片的なのだけれども、情景がとても鮮やかだったので、書き留めておく。

場所の見当は、今住んでいる地域だ。国道の向う側のあのあたりという目星は着くのだが、実際のその場所とはまったく似ていない。夢の中の架空の土地といっていいのだが、にもかかわらず地図上のあの辺という思い込みが成立する夢が多いのはなぜなのだろう。

(僕の夢理論で言えば、夢における自由奔放なイメージの奔流に対して、慣れ親しんだあの場所と直感的に理解する作用が無意識に働いている、という解釈になる)

そこは、国道からの脇道で、くねくねと曲がりながらなだらかにさがっていく。自転車を妻と一緒に走らせていたように思う。雨が降り出した。その時悪い予感がする。土地が低いことが気になったのだ。戻ろうとするのだが、なだらかな坂の上から足元に水がながれてきて、水量が増す気配だ。まずい。

そのとき急に水かさが増して、正面から人間の背丈くらいの白い水しぶきが襲いかかる。僕たちは、わきのやぶに入って、なんとか流されまいとする。見た目は恐ろしかったが、衝撃はたいしたことがなかったなと夢の中で考える。

道の途中で広場みたいになっているところがあって、そこに大きな屋敷の門と塀がある。ここには、けっこうたくさんの人たちが集まっている。広場は水でいっぱいになってきたので、僕は塀の上にあがる。水が引くまでここで夜を明かすことになるかもしれない。その時、大きな黒塗りの車が上流から走ってきて、何事かアナウンスするが聞き取れない。