大井川通信

大井川あたりの事ども

釣川浄土(黒豆をいただく)

絵本を届けたキヨミさんから、ていねいなお礼の電話をいただく。絵本は何度も読んだという。子どもさんに見せたら、とにかく絵がすばらしいとのこと。絵を描いた妻にそのことを話して、いっしょに喜んだ。

黒豆がたくさんあるので、石鎚様へのお参りのついでに取りに寄りませんか、といっていただいたので、次の休日にお訪ねする。

天気のいい日で、玄関先に、たくさんの黒豆が干してある。何もしないと畑に雑草が生えるから、植えてあるのだそうだ。しっかり干すと何年でも保存できる。二、三日水につけて戻してから調理すればいいそうだ。袋一杯の黒豆をいただく。

話題が同級生のナガイさんのことに。先日奥さんが亡くなったことを話すと、ナガイさんの奥さんが、ムツコさんの家に奉公に来ていたことを教えてくれる。

以前、ムツコさんは力丸家の本家にお嫁入りして、長生きした姑さんからずいぶん鍛えられたことを教えてくれた。「大井始まった山伏」の話もお姑さんから聞いたそうだが、ムツコさんが若いお嫁さんだった力丸家には、奉公の娘さんがいたのだ。

彼女は、山形から越してきた若いナガイさんと結ばれて大井で世帯をもつ。当時のことだから、力丸家でお世話したのかもしれない。遠い時代のドラマを見ているようだ。

現代の感覚では、人様のプライバシーの余計な詮索ということになるだろう。しかし、同じ土地で生きてきた先輩たちの暮らしには、しっかり敬意を払いながら、記憶にとどめておきたいという思いがある。

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