大井川通信

大井川あたりの事ども

雪道と前輪駆動車

地球温暖化のせいか、もともと雪の少ないこの地方でも、近年ますます雪が降らなくなっている気がする。年に一回か二回、それも印象に残らないくらい薄っすらだったり。

ところが、今回は大寒波の襲来で、大雪が降ると天気予報がいう。予報通り、一日目は午後から降り始め、用心して早めに職場を出たものの、峠道には真っ白に雪が積もっている。ただ、車輪のわだちの雪は解けていて、道路が露出し、まだ氷ってもいない。

しかし、雪にめったに出会わない地方の人間の悲しさ、何を警戒しているのか、車はのろのろとしか進まない。雪国の人が見たら笑われるだろうと思いつつ、自分もおっかなびっくり運転する。

二日目は、自動車をあきらめて、JRで通勤する。職場のある街に近づくと、(トンネルを抜けたわけではないが)そこは雪国だった。街中でも5センチくらいは積もっていた。

この時期の車の話題は、スタッドレスとかチェーンとかの話になるが、僕は運転を始めて以来、どちらの装備も持ったことがない。それで何とかやれているのだ。今回も雪道を走るとき、前輪駆動(FF車)だから大丈夫と自分に言い聞かせていた。

僕が若いころは、前輪駆動が普及し始めたころだったから、それが雪道に強いことがメリットとしてうたわれていたと思う。この技術が当たり前になると、誰も今さらそれを言う人はいない。しかし、そのメリットが事実として消えたわけではないはずだ。

荷重のかかる前輪を駆動して車体を引っ張るわけだから、上手に運転すれば滑るわけはない、となけなしの知識を動員して自己暗示をかけて車を走らす。