大井川通信

大井川あたりの事ども

ガチャガチャは出オチ

ガチャガチャの製作会社の人を取材した新聞記事にあった言葉。

だいぶ前からガチャガチャのブームが続いていて、地元のショッピングモールにも、ガチャガチャの販売機が100台以上並んだコーナーが設けられている。アニメなどの有名キャラクターを使ったもののほかは、よくこんなものを思いつくな、という変なシリーズものが多い。

ちょっと面白いと気をひかれても、たいていはわざわざ200円や300円を入れて買う気にはならない。ただ中には、これは欲しいとピンとくるものがある。販売機の前面に貼られた商品の宣伝を見た一瞬の印象が勝負だ。だから「出オチ」というわけだろう。

販売機の前を物色しながら通りすぎる人のうち、数百人に一人でもいいから「刺さって」思わず買ってしまうくせの強いネタが必要だ。その他大勢にはむしろなんだこれと冷笑されるくらいでないといけないのかもしれない。

ここ数年でいうと、僕はガチャガチャを数えるほどしかやっていないが、その僕の重い腰を上げさせて、ハマってしまったシリーズを紹介する。

伊藤若冲の動物たち」というシリーズ。江戸時代の人気画家若冲の絵の中には、奇妙にデフォルメされた動物たちが描かれている。そのうちのいくつかを立体模型化したものだ。有名な象や虎もあるが、ほんの端役でしかない奇妙なカエルも商品化されているのがうれしい。

「ミニチュアスナイパー」シリーズ。日常にスナイパーはひそんでいる、という触れ込みで、マッチやサイコロなど原寸大の日用品の中から、身長数センチの黒ずくめのスナイパーが身を乗り出してライフルをかまえているというもの。職場での会話のネタにずいぶん使わせてもらった。

「ミニチュアおじさん」シリーズ。おちょこおじさんとか、ハマグリおじさんとかのシリーズで、日常の品物にミニチュアの人物がひそんでいるのは、スナイパーシリーズと同じ発想。なるほど同じメーカーの製作だ。ただしこちらは酔いつぶれたサラリーマンのおじさん、というわけで前作ほどの人気は出そうもない。といいつつ、やはりこのあたりが僕のツボなので買ってしまった。