大井川通信

大井川あたりの事ども

春のアゲハは小さい

今月になってから、何回か、アゲハチョウが飛ぶのを見かけた。どれも、おやっと思う程小さい。アゲハ特有の虎皮みたいな立派な模様はあるのだが、大きさがどうもものたりない。

昔から図鑑などで、アゲハなどの春型は夏型に比べて一回り小さいという知識はあったし、小さいアゲハを見たのも初めてではないが、こんなふうに実地で強い印象をもったことはなかった気がする。それはたぶん、アゲハが、モンシロチョウにからまれて、二匹がもつれながら飛んでいく場面に出会ったからだろう。

夏型ならアゲハとモンシロチョウは大人と子どもほどの大きさの違いがあり、何より飛ぶ力に違いがある。アゲハがモンシロチョウに追われて逃げ惑う場面など見たことはない。しかし春型のアゲハは、モンシロチョウとさほど大きさも変わらないのだ。

おそらく冬から早春にかけての寒さとエサの乏しさが、アゲハの体格に関係しているのにちがいない。