大井川通信

大井川あたりの事ども

長男への手紙

阿蘇は、どうですか。

たしか、〇〇をはじめてホテルに連れて行ったのが阿蘇で、(3歳の頃)寝ぼけて、朝、ここはどこだと不思議がっていたのが、懐かしく思い出されます。

そのあとも、阿蘇は家族で、少なくとも二、三回は行っているけど覚えているかな。

夏目漱石に「二百十日」という、阿蘇登山を題材にした中篇があるけど、「坊ちゃん」みたいなおもしろく読みやすい小説だから、今度読んでみたら。

お父さんも、阿蘇は好きで、ぐるっと屏風のように(古いたとえだけど)外輪山に囲まれた中に町があって、真ん中に火山があるというのは、日本離れした雄大なスケールの眺めだよね。お父さんは、10回以上行っていて、おじいちゃんもおばあちゃんも案内しました。〇〇も、九州で仕事について住めば、何度も行くだろけど、仕事で他の地域に行けば、あまり行けないかもしれないから、じっくり味わってきてね。

 お父さんは、高校一年生のときは、東京の伊豆大島への移動教室があって、その時のことはよく覚えています。たぶん、〇〇も、今回の合宿は一生の思い出になると思います。

 ここからは、いつもの話。

高校生活もそうだと思うけど、世の中の半面(半分以上)は、弱肉強食の競争の世界だよ。その中で、生き抜いていくのは、もちろん、才能や努力が必要だけど、そのための「作戦」が大切です。

いくら、才能や努力があっても、自分の作戦を立てることができなくて、まわりに流されているばかりだったら、たいしたことはできません。

自分の才能を見極めて(おのれをしって)

効率的に、じぶんから努力して(いやいやでなく)

何をしたいか、どうやっていくか作戦を練れば(敵をしれば)

百戦負けなし、だからね!

 もっとも、なにより大切なのは、毎日の生活を、友人、知人、家族とともに楽しめる気持ちです。でも、〇〇は、それは得意そうだから、そこは大丈夫だよね。

 おっと時間ぎれだ、では、がんばって。

 

※今から10年以上前、長男が高校一年で宿泊研修に行ったときのもの。保護者が自分の子どもに手紙を書いて渡すという学校の企画だった。最後の一行が僕らしくて面白かったと、当時子どもからほめられた。