大井川通信

大井川あたりの事ども

今年のセミの聞き始め

海岸沿いの松林を目指して歩く。薄暗い雑木林の中では、キビタキの声が響いている。ウグイスもあちこちにいるが、松が多くなっても、目当てのハルゼミの鳴き声はなかなか聞くことができない。

ギーコ、ギーコ、ギーコ。ゼンマイ仕掛けのオモチャを動かすような声が、ようやく遠くから聞こえてくる。木々が密集していたり藪になったりしていない明るい松林で、しかも日差しがよく照ったタイミングがねらい目だ。

ただ、1キロ以上の道のりで、ハルゼミが聞けたのは数か所だけ。複数のハルゼミが鳴きかわすのを聞くことができたのは一回だけだった。「日照性」とともに「合唱性」がハルゼミの特徴なのだが。

今がピークの時期ではないかもしれないし、もともと個体数がそれほど多くないのかもしれない。今までも、この場所では、他のセミのように中断なく多くの声を聞き続けることはなかった気がする。

とにかく、今年はじめてセミの声を味わうことができた。今年は、それぞれの種類の聞き始めを意識しながら、セミとの出会いを楽しみたいと思う。おそらくその順番はこんなものになるだろうか。ハルゼミヒメハルゼミニイニイゼミアブラゼミ、ヒグラシ、クマゼミツクツクボウシ

これからツクツクボウシが鳴きやむ10月の初めまで、半年近くセミとつきあえるのだ。