大井川通信

大井川あたりの事ども

6月30日

6月は、1日に僕の緊急入院と命の危機から始まった激動の一か月だった。入院中はいうまでもなく、16日に退院してからの後半も、職場復帰やリハビリに神経を使い、仕事でも私生活でも新たな再出発に向けて動き始め、中身の濃い毎日だった。

この先どれくらい生きられるかはわからないが、僕はこの6月を忘れることはないだろう。ここで経験したこと、考えたことをしっかり心と身体に刻んでおきたいと思う。

今日は退院後2週間で、初めての病院の検査と診察があった。肺のレントゲンも血液検査も良好であるとのこと。ただし、ステロイド薬は段階的に量を減らしながら、8月まで飲まないといけない。診察室で会う主治医は、病棟よりもずっと穏やかな人に感じられたが、懐かしかった。

朝、今年初めて庭でクマゼミの声を聞く。在宅勤務の長男から、秋には都心にマンションを借りて家を出るという予定を聞く。一昨年の冬に仕事を辞めて家に戻ってから、コロナ禍の中、再就職を決めた仕事もどうやら軌道に乗ったようだ。

長男には、巣ごもり中に落ち込む妻を支えてもらい、今回は、家族の闘病を支えてもらった。彼も自分の人生のピンチに家族や猫に癒されただろう。彼が家にいる間に、僕も自分の新生活のために、いろいろ相談にのってもらわないといけない。

6月30日は、夏越大祓式(なごしおおはらえしき)の神事が、全国の大小の神社で行われる日だ。半年間のケガレを清めて、新しい生活に一歩踏み出すことができるように、僕も祈ることにしよう。