大井川通信

大井川あたりの事ども

タコブネが流れて来た

海流に乗ってじゃありません。残念ながら、「ネットの情報と物流に乗って」ですが、うれしかった。

海浜沿いの職場に4年間勤めていた時、ビーチコーミングに夢中になった。その時手に入れたもので珍しく一番美しかったものは、アオイガイという名のタコのつくった殻だった。タコなのに粘液を分泌して貝のような殻をつくり、自分の身と卵を守る。

たいていは、本体は死んで離れてしまうために殻だけが流れ着くが、弱ったタコの入ったものを二度拾ったことがある。成長につれて巻貝状に殻を大きくしていくので、絶命のタイミングによる違いで、3センチくらいから18センチを超えるものまで、いろいろな大きさの殻を拾うことができた。薄いプラスチックのような質感で壊れやすいために欠けていないものは貴重なのだ。

ところで、その時知ったのは、殻を作るタコには、タコブネという種類もあるということだ。大きさは7,8センチだからアオイガイの半分くらいで、写真をみると殻もよく似ているが作りはもっと武骨。ただ、アオイガイの別名である「カイダコ」よりも、「タコブネ」の方が、物語風の味わいがある。これもぜひ拾ってみたいと探したが、とうとう見つけることはできなかった。

海洋生物のガチャポンには、二種類ともラインナップにあって、タコの入った縮小模型を並べて満足する他なかった。

最近ふとオークションで手に入るかもしれないと思い立ち、探したらわずか数百円で手に入れることができたのだ。35ミリの小さいもので、開封した時は、間違えてアオイガイを送ってきたのかと思ったくらいだが、同サイズのアオイガイのコレクションと比較してみると、その違いがはっきりする。色が薄黄色く、襞の一つ一つが大きいのだ。

マレーシアのサンダカン沖、イワシ網にかかったものという説明書き。ずいぶん遠い海から流れてきたものだ。

 

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