大井川通信

大井川あたりの事ども

犬が3匹、猫が2匹、鳥が1羽、カメが1個

この住宅団地に転居したての時のご近所さんで、ずいぶん前に関東に引っ越した家の奥さんと、妻は今でも連絡を取っているようだ。いっしょに子育てをして子ども同士を遊ばせていたから、きずなが深いのかもしれない。

その友人の家にいかにペットが多いかを、説明した妻の言葉。カメの形と重量感を想像すると、一個といいたくなる気持ちもなんとなくわかるが。

かといって我が家がカメに同情がないというわけではない。結婚以来、猫を迎えるまで、我が家にいたペットといえば、ハムスターが二匹とカメが一匹だけだったのだから。

カメは子どもが夜店で買ってきたミドリガメだった。調べると、ずいぶん大きくなるとわかったが、覚悟を決めて最後まで育てようと決意していた。たちまち倍くらいの大きさになったが、ある時、ケースを外に出して甲羅干しさせている間にどこかに逃亡してしまったのだ。カメは脱走の名人と聞いていたが本当にそのとおりだった。

僕が油断して逃がしてしまった責任を、家族から問い詰められたくらいだから、みんなでかわいがっていたのだと思う。僕も残念だった。

それからだいぶたって、近所のため池にぷかぷか浮かんでいる大きなミドリガメの姿を見つけた。家のカメがため池に逃げて大きく育ったのならよかったね、と家族でいいあったのを思い出す。しかし、ため池のカメもそれ以来見ていない。