大井川通信

大井川あたりの事ども

めまいの始まり(眩暈その3)

はじめてめまいに襲われたのは、今から20年近くまえの2004年のことだったと思う。その前の数年が仕事が一番きつい時期で、仕事終わりが終電に間に合わないことも普通だったし、1週間の平日で合計10時間しか寝る時間がとれなかった時もあった。責任は重いが、人間関係が悪かったため怒号がとびかうような職場環境だった。

ようやく業務のピークがすぎ年度末に近くなった頃だったと思う。廊下を歩いていると、一歩ごとに床が沈み込むようで、まっすぐ歩けないのだ。気持ち悪くなって職場の裏部屋で数時間横になっていたと思う。そのあと同じような発作が、定期的に出て(初めは週に一回くらいだったかもしれない)、さすがに医者に行くと、メニエル病(類似症候群)の薬を処方してもらった。

薬のおかげか、次の年度には比較的楽な部署に異動したためか、発作の間隔も広がり、やがてでなくなった。ただ、あたらしい職場でも、何度か警備員室で数時間寝込んだ記憶がある。

平衡感覚に狂いが生じて歩けなくなり、視野が回り出す。極度の気持ち悪さに襲われるが、吐いたりはしない。起きていられなくなり、横になるといくらか楽になる。不快さに耐えていると、たいていうとうと眠ることはできる。寝たり覚めたりを数時間繰り返すと、少しずつ気分が良くなり、やがて動けるようになる。

だいたいこんなパターンだ。めまいの兆候らしきものを感じた時、早めに身体を休めると、軽い不快感だけですむこともあったような気がするが、重い発作の時は何をしても無駄である。