大井川通信

大井川あたりの事ども

甘える老人

朝から勉強のためにカフェやファミレスに行くと、圧倒的に老人の利用が多い。杖を突きながら来ている夫婦、黙って一人でモーニングを食べにくるおじいさん。仲間で楽しそうに話す老人たち。

おそらくどの地方都市でも見られる風景なのだろう。ファミレスの店員も、近ごろはずいぶん高齢化して、中年以上の女性が増えた気がする。だから、常連の老人の中には、気安くパートみたいな奥さん店員に話しかける人もいる。彼女たちもそつなく老人の相手をしてあげている。地域コミュニティの社交場みたいな機能を一定果たしているのかもしれない。

僕は、資格試験のテキストに目を落としながら、大声で店員に話しかける老人たちに、ここを地元のスナックか何かと勘違いしているんじゃないかと不快に思うこともあった。食事代にはそんなサービスの料金は含まれていない、何を甘えているのだろうかと。もちろん、僕自身は、そんな場所で必要以上に店員に声かけなどしたことはなかった。

ところが今朝、国道沿いのモールにあるファミレスに出かけると、共用駐車場にたくさんの車があふれている。どうやら向かいの大きなお店が開店したばかりのようだ。僕は興味があったので、奥さん店員にそのことを尋ねてみた。すると今朝が開店2日目であること、いろいろな食材を扱ったスーパーであること、自分も買い物が楽しみであることなど愛想よく教えてくれた。

ちょっとした会話だったけれども、それだけで心にちょっと温かいものが生まれた気がして、気分が良かった。

なんだ、自分も「甘える老人」そのままじゃないか、と自覚した次第。