大井川通信

大井川あたりの事ども

春競馬

昨年秋から、突然競馬に目覚めた人生を送っている。

昨年の秋までは全く何も知らなかった仕組みなのであるが、競馬にはG1と呼ばれる大会があって、年間行事として開催時期と開催場所が決まっているのだ。3月末からは毎週のように、日曜日の午後にG1の大会がつづき、忙しい時期ではあるが、それを楽しみにして暮らしている。

お金はかけないで見るだけだが、それでも十分に楽しいし、何よりカレンダーと季節を意識できるイベントなのがいい。長期間続く他のスポーツのシーズンとは違い、競馬の勝負は一瞬であり、その当日の数分間の内に凝縮するものだからだ。

3月最終週には、高松宮記念(1200メートルのスプリント勝負)があって、伏兵の勝利に沸く。G1初勝利という実直そうな中堅騎手の涙のインタビューにもらい泣きした。

4月初週は、大阪杯(2000メートルの中距離戦)。昨年憎たらしいほど強かった年度代表馬のエフフォーリア登場。実は疲れからかその時間ウトウトしてしまい、何分かおくれて録画で見る始末。あっけなく9着敗退に競馬の奥深さを知る。

そして今日は、桜花賞(1600メートルの牝馬のマイル戦)。三歳の若駒たちの頂点を決めるいわゆるクラシックの大会のシリーズがここからスタートするのだ。

昨年末に突然競馬に覚醒したときに目の前にいたのが快速女王グランアレグリアであり、彼女のラスト二戦とともに今までのレースの映像を繰り返しみることで競馬のことを学習した。グランアレグリアは、3年前にこの大会に勝った「サクラの女王」だ。

結局、桜花賞でも上位人気馬の勝利はなかった。これで3戦連続で波乱の内容であり、名馬たちのビデオを見ているだけではわからない競馬のリアルを知ったような気がした。気の小さい僕は、これならとてもお金をかける気にはならないだろう。

競馬ファンは買ったら豪華な焼肉を食べて、負けたらモヤシで腹をふくらませるそうだが、僕は勝ち負けに関係なく、いつも王将の餃子くらいを食べていたい。